足腰[語句情報] » 足腰

「足腰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

足腰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
か、いろいろに想像されるこれらの不幸の一つだけに出くわしても、君の家にとっては、足腰の立たない打撃となるのだ。疲れた五体を家路に運びながら、そしてばかに建物の大....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
と思われ、いよいよ自分の胸の中にも何かがわきかえる思いがするのである。 省作は足腰の疲れも、すっかり忘れてしまい、活気を全身にたたえて、皆の働いてる表へ出て来....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
花やかな娘の笑声が、夜の底に響いて、また、くるりと廻って、手が流れて、褄が飜る。足腰が、水馬の刎ねるように、ツイツイツイと刎ねるように坂くだりに行く。……いや、....
空襲警報」より 著者:海野十三
そうだとも。立派な戦闘員だ。非戦闘員はというと重い病人と、物心のつかない幼児と、足腰も立たないし、耳も、眼も駄目だという老人だけだ。七つの子供だって、サイレンの....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
、ほとんど玲瓏たる乳が玉を欺く。 「御覧なさい――不義の子の罰で、五つになっても足腰が立ちません。」 「うむ、起て。……お起ち、私が起たせる。」 と、かッきと....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
た包を、西行背負に胸で結んで、これも信玄袋を手に一つ。片手に杖は支いたけれども、足腰はしゃんとした、人柄の可いお爺様。 「その捻平は止しにさっしゃい、人聞きが悪....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
膝頭に手を置いて、 「滅相もない事を。老人若い時に覚えがあります。今とてもじゃ、足腰が丈夫ならば、飛脚なと致いて通ってみたい。ああ、それもならず……」 と思入....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
いい事だ、さあ、ござい、ござい。」 と抱込んだ木魚を、もく、もくと敲きながら、足腰の頑丈づくりがひょこひょこと前へ立った。この爺さん、どうかしている。 が、....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
客でござりますで、宵の内はまるで戦争、帳場の傍にも囲炉裡の際にも我勝で、なかなか足腰も伸びません位、野陣見るようでござりまする。とてもどうもこの上お客の出来る次....
おびとき」より 著者:犬田卯
一 「いつまで足腰のたたねえ達磨様みてえに、そうしてぷかりぷかり煙草ばかりふかしているんだか。....
三枚続」より 著者:泉鏡花
てね、そうしたら一番|撲倒しておいて、そいつを機に消えようと思ったんだが、まるで足腰が立たねえんです。まだね先生、そりゃ可うございますが、彼奴等人を狂人にしやあ....
註文帳」より 著者:泉鏡花
。 作平が悦喜斜ならず、嬉涙より真先に水鼻を啜って、 「話せるな、酒と聞いては足腰が立たぬけれども、このままお輿を据えては例のお花主に相済まぬて。」 「それを....
雪柳」より 著者:泉鏡花
。牝、牝も骨身……肩、腰、胸、腹、柔い膸まで響いてこたえておろうに。洞斎兄がや、足腰の立たん中気の病人がや、四年越、間がな、隙がな、牝の姿が立違うて、ちょっとの....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
しかけた。 「大僧正の見識じゃの、ははは。」 と咽喉を掠めて笑って、 「はや、足腰もよう利かんで、さし掛傘も杖の中じゃ。意気地はないの、呂律もよう廻らん、大分....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
責任にはなれないのが二葉亭の性分であった。例えば『浮草』の如き丁度関節炎を憂いて足腰が起たないで臥ていた最中で、病床に腹這になって病苦と闘いながらポツポツ訳し、....