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足踏み
「足踏み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
足踏みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
切れなかったのは全然火の気《け》と云うもののない控室の中の寒さだった。僕は絶えず
足踏みをしながら、苛々《いらいら》する心もちを抑《おさ》えていた。が、大勢《おお....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
云うよりも、もっと残酷《ざんこく》な感情だった。何故《なぜ》男が彼女の所へ、突然
足踏みもしなくなったか、――その訳が彼女には呑みこめなかった。勿論お蓮は何度とな....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
生乾きのペンキの※《におい》を漂わしている後から、アスファルトの往来へひょいと一
足踏み出すと、新蔵のかぶっている麦藁帽子の庇《ひさし》をかすめて、蝶が二羽飛び過....
「或る女」より 著者:有島武郎
といった。葉子はさすがに驚いた。古藤はあの会食の晩、中座したっきり、この家には
足踏みもしなかったのに……。葉子は少し激しい言葉になった。
「なんだってまたこん....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
か憐《あわ》れと思わざらん。 しかるに巡査は二つ三つ婦人の枕頭《まくらもと》に
足踏みして、 「おいこら、起きんか、起きんか」 と沈みたる、しかも力を籠《こ》....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
い。――それは小児たちが一心不乱、目まじろぎもせずにお弁当の時を待構えて、無駄な
足踏みもせぬからで。静なほど、組々の、人一人の声も澄渡って手に取るようだし、広い....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
姉は何をしたってせかせかだ。座敷を歩くたって品ぶってなど歩いてはいない。どしどし
足踏みして歩く。起こされないたって寝ていられるもんでない。姉は二度起こしても省作....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
に、およそ滑稽至極なものに見えた。――議席は満場総立ちとなり、怒号と拍手と口笛と
足踏みとで、まるで鼎の沸くような騒ぎだった。この急迫せる事態を鎮圧すべき議長は、....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
して飛び出して来ましたが、 「大変です! 誰か早く来て下さァーい」 とバタバタ
足踏みをし乍ら両腕を頭の上に差しあげてうち振りました。絹を裂くような若い女の声に....
「春昼」より 著者:泉鏡花
八軒続いて、それが一部落になっている。 梭を投げた娘の目も、山の方へ瞳が通い、
足踏みをした女房の胸にも、海の波は映らぬらしい。 通りすがりに考えつつ、立離れ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
だ。だから長谷戸だけに委せておいたら捜査は何時間経とうが何日過ぎようが、同じ所で
足踏みをしているばかりで、かねて手ぐすねひいている新聞記者からは「事件迷宮入り」....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
しろにいたが、喜作の声におどろいて駆けつけた。喜作は、顔をまっ赤にして、よたよた
足踏みをしている。お浜は、喜作が中風になって、これから前にたおれるところだと思っ....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
を下した。 ピート一等兵は、あわてて、レバーをひいて、ギアをはずした。そして、
足踏み式の、給油バルブを閉めつけた。地底戦車は、ぎぎーッと、とまった。 「どうし....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
趙|太爺の息子が秀才になった時の事であった。阿Qはちょうど二碗の黄酒を飲み干して
足踏み手振りして言った。これで彼も非常な面目を施した、というのは彼と趙太爺はもと....
「活人形」より 著者:泉鏡花
、語り合いつつ畦伝い、血の痕を踏んで行く程に、雪の下に近づきぬ。金時|真先に二の
足踏み、「得右衛門もう帰ろうぜ。と声の調子も変になり、進みかねて立止まれば、「こ....