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「足音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

足音の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
のとかげが、煤《すす》のように黒いからだを、気味悪くへばりつかせていたが、太郎の足音に驚いたのであろう、彼の影の落ちるよりも早く、一度にざわめきながら、四方へ散....
」より 著者:芥川竜之介
て来ない。その跡にはただ長い廊下に、時々|上草履《うわぞうり》を響かせる、女中の足音だけが残っている。 この時もそれが遠くから、だんだんこちらへ近づいて来ると....
春の夜」より 著者:芥川竜之介
居はNさんを見ると、ほとんど詰《なじ》るようにこう言った。それは何もけたたましい足音に驚いたためばかりではない。実際またNさんは笑ってはいても、体の震《ふる》え....
報恩記」より 著者:芥川竜之介
千貫の金《かね》を調達する、恩返しの約束を結んだのです。――おや、誰か戸の外に、足音が聞えるではありませんか? では今夜は御免下さい。いずれ明日《あす》か明後日....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
甥にもあの沙門を懐しく思わせたとか申す事でございました。 が、その内に私の甥の足音に驚かされたのでございましょう。摩利信乃法師は夢のさめたように、慌しくこちら....
」より 著者:芥川竜之介
肝腎《かんじん》の姿は見る事が出来ない。ただ、咄嗟《とっさ》に感づいたのは、その足音がこちらへ来ずに、向うへ行くらしいと云う事である。 「莫迦《ばか》な、この路....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
、側へ行って挨拶《あいさつ》したものかどうかを決しかねた。すると本多子爵は、私の足音が耳にはいったものと見えて、徐《おもむろ》にこちらを振返ったが、やがてその半....
袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
来ないのかしら。よもや来ない事はあるまいと思うけれど、もうかれこれ月が傾くのに、足音もしない所を見ると、急に気でも変ったではあるまいか。もしひょっとして来なかっ....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
、しきりと耳掻《みみか》きを使いながら、忘れられたように坐っていた。それが洋一の足音を聞くと、やはり耳掻きを当てがったまま、始終|爛《ただ》れている眼を擡《もた....
忠義」より 著者:芥川竜之介
。頭痛がする。日頃好んでする書見にさえ、身がはいらない。廊下《ろうか》を通る人の足音とか、家中《かちゅう》の者の話声とかが聞えただけで、すぐ注意が擾《みだ》され....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
」 「僕か? 僕は……」 Mの何か言いかけた時、僕等は急に笑い声やけたたましい足音に驚かされた。それは海水着に海水帽をかぶった同年輩《どうねんぱい》の二人《ふ....
藪の中」より 著者:芥川竜之介
》いて居ったようでございます。おまけにそこには、馬蠅《うまばえ》が一匹、わたしの足音も聞えないように、べったり食いついて居りましたっけ。 太刀《たち》か何かは....
トロッコ」より 著者:芥川竜之介
ロッコを押し上げにかかった。が、まだ車輪も動かない内に、突然彼等の後には、誰かの足音が聞え出した。のみならずそれは聞え出したと思うと、急にこう云う怒鳴り声に変っ....
良夜」より 著者:饗庭篁村
たる事なし、面白き事こそ起りたれと折しもかかる叢雲に月の光りのうすれたるを幸い、足音を忍びて近づきて見れば男ならで女なり。ますます思いせまる事ありて覚悟を極しな....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
うに彼の路を取りまいているのを見て、なんどもなんども彼はぞっとしたものだ。自分の足音が凍った地面に鳴る音にびくびくして、いくたびもからだをちぢこまらせた。そして....