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足駄
「足駄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
足駄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
と共に、滅びてゆくこの大きな町を、思わせないものはない。途中では、ただ一人、手に
足駄《あしだ》をはいている、いざりのこじきに行《ゆ》きちがった。――
「だが、次....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
出かける時間を得た。曇天はいつか雨になっていた。自分は着物を着換えながら、女中に
足駄《あしだ》を出すようにと云った。そこへ大阪のN君が原稿を貰いに顔を出した。N....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
に、パナマ帽をかぶった賢造は、こちらへ後《うしろ》を向けたまま、もう入口に直した
足駄《あしだ》へ、片足下している所だった。
「旦那《だんな》。工場《こうば》から....
「竜」より 著者:芥川竜之介
難しじゃ。』と、呟《つぶや》いた声でも聞えたのでございましょう。麻緒《あさお》の
足駄《あしだ》の歯を※《よじ》って、憎々《にくにく》しげにふり返りますと、まるで....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
う》もござりませぬ。わたくしは傘を斬られると同時に、思わず右へ飛びすさりました。
足駄《あしだ》ももうその時には脱《ぬ》いで居ったようでございまする。と、二《に》....
「或る女」より 著者:有島武郎
ゆ》を痛々しくしかめながら、釘店《くぎだな》に帰って来た。
玄関にはいろいろの
足駄《あしだ》や靴《くつ》がならべてあったが、流行を作ろう、少なくとも流行に遅れ....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
仰向《あおむ》いて、
(急に低くなりますから気をつけて。こりゃ貴僧《あなた》には
足駄《あしだ》では無理でございましたかしら、宜《よろ》しくば草履《ぞうり》とお取....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
へ返事をするようにして、硯を手に据え、急いで立つと、上衣を開いて、背後へ廻って、
足駄|穿いたが対丈に、肩を抱くように着せかける。 「やあ、これは、これはどうも。....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
たしました。」 「はい。」 と腰衣の素足で立って、すっと、経堂を出て、朴歯の高
足駄で、巻袖で、寒く細りと草を行く。清らかな僧であった。 「弁天堂を案内しますで....
「女客」より 著者:泉鏡花
ていたんじゃ、たとい曳くにしろ、車も曳けない理窟ですから、何がなし、戸外へ出て、
足駄|穿きで駈け歩行くしだらだけれど、さて出ようとすると、気になるから、上り框へ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
が、実際その、心も空になるほど気の揉めるわけがあって――思い掛けず降出した雪に、
足駄でなし、草鞋でなし、中ぶらりに右のつッかけ穿で、ストンと落ちるように、旅館か....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
。寂としてその夜更け行く。この宮の境内に、階の方から、カタンカタン、三ツ四ツ七ツ
足駄の歯の高響。 脊丈のほども惟わるる、あの百日紅の樹の枝に、真黒な立烏帽子、....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
聞かるるが可い。 なお、かし本屋の店頭でもそうだし、ここでの紫の雨合羽に、塗の
足駄など、どうも尋常な娘で、小説家らしい処がない。断髪で、靴で、頬辺が赤くないと....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
、その夜中に、釜ヶ淵の上、土手の夜泣松の枝にさがって、小一は淵へ、巌の上に革緒の
足駄ばかり、と聞いて、お一方病人が出来ました。……」 「ああ、娘さんかね。」 「....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
でないと、お話しにくい事がありますから。……」 「羽織は着たが、大番傘のその男、
足駄穿の尻端折で、出会頭に、これはと、頬被を取った顔を見ると、したり、可心が金沢....