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「足高〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

足高の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
云って大きな白ケンチウ張りの洋傘《こうもり》を持って、竹細工の山高帽を冠って、中足高《ちゅうあしだか》をお穿《は》きになりました。私も行きたいと思いましたがお父....
河明り」より 著者:岡本かの子
トの道は面前に逆立ち、今まで眼にとまっていた榕樹の中の草葺きの家も、椰子林の中の足高の小屋も、樹を切り倒している馬来人の一群も、総て緑の奔流に取り込められ、その....
骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
、手伝い、仲仕の類を稼いで、あらん限りの苦労をした揚句、鉋飴売りの商売を覚えて、足高盥を荷ぎ荷ぎ故郷へ帰って来たが、帰って来てみると故郷は皆死絶えたり零落してし....
青年」より 著者:森鴎外
ある真鍮の金物に掴まって立っていると、車掌が中へ這入れと云う。這入ろうと思って片足高い処に踏み掛けたが、丁度出入口の処に絆纏を着た若い男が腕組をして立っていて、....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
合、四合目にがっきと組んで立ちあがった。このとき木俣の身体がひらりとおどりでて右足高く鹿毛の横腹に飛ぶよと見るまもあらず、巌のこぶしが早く木俣のえりにかかった。....
日記」より 著者:宮本百合子
人の男が並んで坐っている。きちんと膝をそろえて坐っている一人一人の男の前に黒塗の足高膳が出ている。誰も喋っていず、食べてもいない。ただそうやって顔をこちらに向け....
道化役」より 著者:豊島与志雄
いて、礼儀正しく食事をしてるところは、如何にも立派だった。私は末席の一つにいて、足高の酒杯になみなみとつがれてる白と赤との葡萄酒が、電気の光にてりはえるのを眺め....
女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
天井近くまで聳え立ち、その前に幅広いスタンドが弓なりに設けられて、天鵞絨を張った足高の腰掛が散在し、その外方をボックスが取り巻いている。高級な店か下級な店か、ち....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
て何かを祝おうではないか」で、四辺へ眼を配った。 三尺幅に一間ぐらいの長さの、足高の卓袱台が四、五台がところ、土間に位置よく置かれてあったが、その一台を前に控....
モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
に、種々《いろいろ》な花があって、花売りの床店《とこみせ》が一町もつづいている、足高路《あしだかみち》の方へお雪を伴った。 朝市には、ニースに滞在している人た....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
波は、改まった会釈《えしゃく》をしてひきさがって行ったが、間もなく、爪はずれよく足高膳《あしたかぜん》に錫のちろりをのせて持ちだし、つづいて、広蓋《ひろぶた》に....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
づいている。 ケースのうえから、壺の口づくりのぐあいをながめているひとがある。足高のケースにおさまった壺の底づきぐあいを、ガラス越しに、よつんばいになって下か....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
馳走ごしらえにいそがしかつた。 自分の陰膳の据えられた仏壇を拝んでから爐ばたの足高膳の前に坐つた佐太郎は、五年ぶりのドブロクの盃を三つ四つ、重ねるうちに、もう....
私本太平記」より 著者:吉川英治
と踵をめぐらして、辺りに恐れ怯んでいる烏天狗の群れを見すえ、それへ向って、左右の足高々と、舞拍子の一歩一歩を、踏み出して見せながら―― 木々は知る 露は知る 如....
日本の伝説」より 著者:柳田国男
わなかったら、天にとどいたかも知れぬと、土地の人たちはいっております。 駿河の足高山は、大昔|諸越という国から、富士と背くらべをしに渡って来た山だという話があ....