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跋渉
「跋渉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
跋渉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
であろう。況《いわん》や針の山や血の池などは二三年其処に住み慣れさえすれば格別|
跋渉《ばっしょう》の苦しみを感じないようになってしまう筈《はず》である。
....
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
神河内に流れ落ちる水の脈が、およそどれほどであろう、自分は隅々|隈《くま》なく、
跋渉《ばっしょう》したわけではないが、自分の下りて来た穂高山の前の短沢《みじかさ....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
スル友ヨ。 予等ハ九月四日只今ノ地点ニ通リカカリタリ。今回ノ予ノ目的ハ山岳地方|
跋渉ニ在ルト共ニ、尚一ツノ目的アリ。予モ亦ラジオヲ以テ長年ノ趣味トスルモノニシテ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
どはなかったので、登山の困難は想像にも及ばずわずかに不退転の心を抱いて深山幽谷を
跋渉する、役ノ優婆塞の亜流ぐらいが時々参詣するぐらいであったが、それが、一旦下り....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
先祖から譲られた廃屋に住み、再び近所の子供を集めて、名賢の教えを説く傍山野の間を
跋渉して、努めて心胆を鍛錬した。 喜んだのは医師千斎で、 「これこそ誠の生活と....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
出した。そして足跡を絶ったくろがね天狗の行方を探し求めて、町の隅々から山また山を
跋渉した結果、高尾山中に半之丞の隠れ家を探しあてたけれど、肝心の半之丞も機械人間....
「熊狩名人」より 著者:佐藤垢石
が豪胆にして射撃が正確、そして健脚であるからであった。 この名人が縄張りとして
跋渉している山は、上州と越後と信州の三国が境する白砂山からはじまり、西へ大高山、....
「採峰徘菌愚」より 著者:佐藤垢石
から、お互いに賞翫することにして、食うことよりも巣を発見するまでが面白い。山野を
跋渉しなければならないから健康的で、まず新スポーツとでも言えるだろう。厚生省が高....
「たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
た。と、いうのは猪の身の上のことである。団栗の稔りの秋に、小学生が大挙して山野を
跋渉すれば、猪群は忽ち食料難に陥るだろう。 今冬の猟期には、猪は痩せほそり皮は....
「水の遍路」より 著者:佐藤垢石
は、長瀬の上流下流で幾度か鮎の友釣りを試みた。三峰川と中津川では山女魚釣りに谷を
跋渉した。高麗川と名栗川へも行った。多摩川と奥多摩川、日原川、秋川などはここで説....
「「日本民族」とは何ぞや」より 著者:喜田貞吉
称せられる、宋書記載の国書の文である。 昔、祖禰より、躬づから甲冑を※し、山川を
跋渉して寧んじ居るに遑あらず、東、毛人を征する五十五国、西、衆夷を服する六十六国....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
七日、曇晴。早暁より山影を見ず。終日、雲波深所に向かいて西走す。夜、余興会あり。
跋渉濠陽山又河、秋風今日向過。 (豪州の山や河をふみわたり、秋風の吹くこんにち南....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
ことは、この出家脱俗の徒の本領とするところであらねばならぬ。名僧知識が深山幽谷を
跋渉して、魑魅魍魎の徒を済度し、山人猟夫の輩を教化したが如き噺は少からず伝わって....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
言う。今はやめて居るにしても、昔からつい四五年前まで甲斐東方のあらゆる深山幽谷を
跋渉し尽した彼は、猟銃をとっては名うての巧者である。眺望の好い場所を択んで先ず一....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
かった。 中村君は大正四年の七月から十月まで鐘釣温泉に滞在して、画作の傍附近を
跋渉し、其折案内者として同伴した音沢村の佐々木助七から、黒部に関する多くの知識を....