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跛
「跛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
跛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
瞬く暇に多くの病者を癒《なお》した事でございます。盲目《めしい》が見えましたり、
跛《あしなえ》が立ちましたり、唖《おし》が口をききましたり――一々数え立てますの....
「或る女」より 著者:有島武郎
錨綱《びょうづな》で足をけがした時、葉子の世話になった老水夫だった。彼はとうとう
跛脚《びっこ》になっていた。そして水夫のような仕事にはとても役に立たないから、幸....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
、章魚《たこ》のように頭ばかり大きい赤坊《あかんぼう》をおぶった彼れの妻は、少し
跛脚《ちんば》をひきながら三、四間も離れてその跡からとぼとぼとついて行った。
....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
しまして、一旦は訳もなく癒ったのですが、それからどうも左の足に故障が出来まして、
跛足という程でもないのですが、片足がなんだか吊れるような具合いで、とうとう思い切....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
っている間に、これはその他のどこででもそうなのだが、片っぽうの手がないとか義足で
跛をひいているとかいう不具者の、五人や六人や、九人や十人には会わないことはない。....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
を奪ろうとは思うまい。厳しゅうて笛吹は眇、女どもは片耳|殺ぐか、鼻を削るか、蹇、
跛どころかの――軽うて、気絶……やがて、息を吹返さすかの。」 「えい、神職様。馬....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
う。 右の方へかくれたから、角へ出て見ようと、急足に出よう、とすると、馴れない
跛ですから、腕へ台についた杖を忘れて、躓いて、のめったので、生爪をはがしたのです....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
さんだと思っておいでなさいましょう。でしょう、でしょう。 ところが、どうして、
跛で、めっかちで、出尻で、おまけに、」 といいかけて、またフンと嗅いで、 「ほ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
で、溝口もまず安心した。 あくる日一日は無理に寝かしておいたが、娘は次の日から
跛足をひきながら起きた。しかし彼女はここを立ち去ろうともしないで、そのままこの家....
「風波」より 著者:井上紅梅
、やはりもとのように七斤ねえさんの手助けをして、十六本の釘を打った飯碗を捧げて、
跛を引きながら空地の上を往来していた。 (一九二〇年十月)....
「鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
も悪くないのであるが、惜しいことには生れながらに左の足がすこし短いので、いわゆる
跛足という程でもないが、歩く格好はどうもよろしくない。殊にそういう商売屋の娘であ....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
で、溝口もまず安心した。 あくる日一日は無理に寝かしておいたが、娘は次の日から
跛足をひきながら起きた。しかし彼女はここを立去ろうともしないで、そのままこの家に....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
じ開けるように響いて来た。それは、まさしく母のタミの声であつた。 タミの後から
跛足をひきながらやつて来るのは父親の源治であつた。 源治のあとには、初世の紅い....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
いているのだった。温泉へ療養にきている彼等の、朝の散歩らしかった。なかには明かに
跛をひいている者もいた。それと気がつくと、私はながく見ていられなくなり、心の裡が....
「古事記」より 著者:太安万侶
ナガミの王とお二方をその御子に副えてお遣しになる時に、奈良の道から行つたならば、
跛《ちんば》だの盲《めくら》だのに遇うだろう。二上《ふたかみ》山の大阪の道から行....