距離感[語句情報] »
距離感
「距離感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
距離感の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
かれた。宵色の中に当って平沙の渚に、夜になるほど再び捲き起るらしい白浪が、遠近の
距離感を外れて、ざーっざーっと鳴る音と共に、復一の醒めてまた睡りに入る意識の手前....
「科学的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
だけ発動するとは限らない。之は一般に認識上のエキゾティシズムとも云うべき、一種の
距離感に発するとさえ云っていいようだ。回顧は時間的
距離感に基くが、空間的
距離感に....
「文学に於ける構想力」より 著者:豊島与志雄
遠くの彼方に眺められる。それの改装した人間記録も、可なりの彼方に眺められる。この
距離感は、立場の移転を示す。 新たな出発に当って、吾々の立場の移転は種々のこと....
「生きている空間」より 著者:中井正一
が動いてはいないのである。 その自分が動いて、自分が方向の舵をもって動きつつ、
距離感の中を動きはじめる時、第三次元が生れると云うのである。 かかる考え方でも....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
て行く。私は日本の東北の或る寒駅に汽車を待佗びている旅人のような気がして故国との
距離感を暫く忘れたほど東洋的な閑寂な気分に引入れられた。その間、二三度伯林から汽....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
のを見慣れて来て、その上、二十日間も涯なき海を渡って来た加奈子の視力はまたここで
距離感を失った。 もし手前の坂の左側にある小さい魚屋の店先に閃めく、青い鰺やも....
「孔子」より 著者:和辻哲郎
には村落共同態への従順な態度が見られる。知識人として己れを郷人から区別するような
距離感はそこにはなかった。また朋友に対する心づかいとしては、 朋友死して帰る所な....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
者はまた、二つ三つ、眼をしばだたくと、聖者の眼に富士はいつも寺の縁から眺められる
距離感に戻って、青空に匂った。―― これを読みながら不幸を私に齎らしたのは聖者....
「『唯研ニュース』」より 著者:戸坂潤
テリ諸氏の、その関心のあるもの自身なのだ。唯研に対する親切から来る、又自己からの
距離感から来る、一種の評判がそれなのだ。無責任なデマが唯研の経営を妨害したことは....