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跟
「跟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
跟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「卑怯者」より 著者:有島武郎
んぼりと泣きも得せずに突っ立ったそのまわりには、あらん限りの子供たちがぞろぞろと
跟《つ》いて来て、皮肉な眼つきでその子供を鞭《むちう》ちながら、その挙動の一つ一....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
いて行ってしまおうとするのをお婆様がたって頼んだので、黙ったまま私たちのあとから
跟《つ》いて来ました。
家《うち》に着くともう妹のために床《とこ》がとってあり....
「星座」より 著者:有島武郎
西山さんは手を振りきってどんどん列車の方に行く。婆やはそのすぐあとから楽々と
跟《つ》いていくことができた。
人見さんが列車の窓から、
「おいここだ、ここだ....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
通抜《とおりぬ》ける旅僧は、誰《たれ》も袖を曳《ひ》かなかったから、幸いその後に
跟《つ》いて町へ入って、ほっという息を吐《つ》いた。
雪は小止《おやみ》なく、....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
わない様子になって、別に苦にする顔色でもないが、腕を拱いた態で、夫人の一足後れに
跟いて行く。 裏町の中程に懸ると、両側の家は、どれも火が消えたように寂寞して、....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、お前さん手巾でさ、洋傘の柄を、しっかりと握って歩行きましたんですよ。 あとへ
跟いて来る女房さんの風俗ッたら、御覧なさいなね。人の事を云えた義理じゃないけれど....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
した。 蝙蝠は飜って、向側の障子の隙間から、ひらひらと出たと思うと、お雪が後に
跟いてずっと。 蚊帳を出でてまだ障子あり夏の月、雨戸を開けるでもなく、ただ風の....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
でございます。 それが貴方、以前からお米を貴方。」 と少し言渋りながら、 「
跟けつ廻しつしているのでございます。」と思切った風でいったのである。 「何、お米....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
るでもって※蟷螂が草の中から飛ぶようじゃ。其奴の、目星い処を選取って、縦横に跡を
跟けるわい。ここぞという極めが着いた処で、印を付けておくんじゃ。私も初手の内は二....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
、仰いで幹をたたきなどして、右瞻左瞻ながら、うかうかと並木を辿る――大な蜻蛉の、
跟をつけて行くのも知らずに。 やがて樹立が疎らになって、右左両方へ梢が展くと、....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
は阿Qを見ると皆門の中へ逃げ込んだ。極端なことには五十に近い鄒七嫂まで人のあとに
跟いて潜り込み、その上十一になる女の児を喚び入れた。阿Qは不思議でたまらない。「....
「明日」より 著者:井上紅梅
声によく似ていた。ふりかえってみると、果して藍皮が寝不足の眼を擦りながら後ろから
跟いて来た。こういう時に天将の一人が降臨して一|臂の力を添える事が、彼女の希望で....
「兎と猫」より 著者:井上紅梅
。小さいのは喫驚《びっくり》して跳ね上り、洞の中に潜り込んだ。親兎は洞門の口まで
跟《つ》いて行って、前脚で子供の脊骨を押し、押し込んだ後、土を掻き起して穴を封じ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
くんなさい。こういうお宅だから帳場にお馴染があるでしょう、御近所ならば私が一所に
跟いて行くから、お前さん。」 杉は女の方をちょいと見たが、 「あなた何時だとお....
「活人形」より 著者:泉鏡花
もあがらず。今朝はちと快気なるに、警察を尋ねて見ばやと、宿を出づれば後より一人|
跟け来る男あり。忘れもせぬ其奴こそ、得三に使わるる八蔵という悪僕なれば、害心もあ....