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跡を絶つ
「跡を絶つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
跡を絶つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
学問の婢僕として働くようになり、また実験的の仕事を軽侮するような有識者の考え方も
跡を絶つようになった。しかし初めのうちはやはり昔からの先入的な意見の抵抗があり、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
を見、二十人から八十人までの縮小した供数でこの街道を通り過ぎて行ったが、それすら
跡を絶つようになった。 「さあ。早くおいで。」 とお民はあとから山の中の街道を....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
すべき旨を令した。これよりして、火葬の事実は次第に少なくなり、遂にこの風習はその
跡を絶つに至ったということである。兼山の採ったこの方法は即ち敵本主義の側面立法で....
「災難雑考」より 著者:寺田寅彦
てその真相を明らかにして、それを一般に知らせさえすれば、それでその災難はこの世に
跡を絶つというような考えは、ほんとうの世の中を知らない人間の机上の空想に過ぎない....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
支配されて固有の発達と分化を遂げて来た。近代では洋服が普及されたが、固有な和服が
跡を絶つ日はちょっと考えられない。たとえば冬湿夏乾の西欧に発達した洋服が、反対に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
運河の一部としてしか存在の価値がなくなってしまった時分には、八景めぐりの遊覧客が
跡を絶つ、その観光客で維持していた我々の商売も上ったりになる」 「しかしまた、運....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
示すであろう。こんにちの状態にて進行すれば、数年ならずしてこれらの猛獣はこの世に
跡を絶つであろうと、動物学者はかえって心配し、彼らの保存法を講じている。 しか....
「柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
を執って教えてやろう」 老人はスッと背を延ばした。 「重巌に我|卜居す、鳥道人
跡を絶つ、庭際何の得る所ぞ、白雲幽石を抱く……俺の住居は雲州の庭だ」 老人は飄....
「迷信解」より 著者:井上円了
うと思わる。世間に愚民は多きに相違なきも、明治の盛代には、早くこのようなる迷信の
跡を絶つようにしたいものである。 淫祀のことにつきては『草茅危言』に論じてある....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
りしなり。然るに今や現代人の感情にはこの二者漸くその跡を絶たんとす。何が故にその
跡を絶つに至れるや。これ他なし我邦《わがくに》固有の旧文化破壊せられて新文化の基....
「寺じまの記」より 著者:永井荷風
然としてそういう小家《こいえ》がなお数知れず残っていたが、震災の火に焼かれてその
跡を絶つに及び、ここに玉の井の名が俄に言囃《いいはや》されるようになった。 女....
「深川の散歩」より 著者:永井荷風
見て、東京の生活はいかにいそがしくなっても、まだまだ伝統的な好事家《こうずか》の
跡を絶つまでには至らないのかと、むしろ意外な思いをなした。 華表の前の小道を迂....
「仏法僧鳥」より 著者:斎藤茂吉
学説は負けた。けれどもこういうことが云えるだろう。ああいう夜鳥は早晩高野山上から
跡を絶つかも知れない。そうして玩具の仏法僧鳥をばあそこの店で売る時が来るかも知れんとこういうのである。....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
他のなんらの条件を問うことなく、ただちにこれを差別するというようなことはまったく
跡を絶つに相違ありません。 しかし単に差別しなくなったということと、相近づき相....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
露出しているのが見られるようになる。谷はいつか扇形に開いて、途切れ勝ちの雪が暫く
跡を絶つと間もなく別山裏の平に達した。即ち劒沢の源頭である。 この広い盆状の高....