跡を追う[語句情報] » 跡を追う

「跡を追う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

跡を追うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地球発狂事件」より 著者:海野十三
、不幸なる駆逐艦D十五号の遺留品を出来るだけ多く収容したのち、速やかにわれわれの跡を追うように取計《とりはか》られたい」 この指令を、高声器から受取った司令ペ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ていて、急養子の幸之助とは名ばかりの夫婦であったが、その幸之助が家出すると又その跡を追うように隣家のお北が家出したことを知った時に、お勝は枕をつかんで泣いた。 ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
は、やっぱり半分隠れたまま、 「滝ちゃんや、透さんは。」 「母様が出掛けるんで、跡を追うですから、乳母が連れて、日曜だから山田(玄関の書生の名)もついて遊びです....
蠅男」より 著者:海野十三
みこんで、共に逃げていくところだったかも知れないのである。ここはどうしても怪人の跡を追うのが正道であった。帆村は階段を転げ落ちるようにして、足袋はだしのまま裏口....
地球盗難」より 著者:海野十三
された佐々砲弾の後を追うべきだろうか? 彼は残念に思ったけれど、今は極力佐々の跡を追う方が正しいと思ったので、この室の興味を次の機会にまで預け、ソッと脱出した....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
まいました。 「人殺しだ、人殺しだ。」 たゞ口々に騒ぎ立てるばかりで、もうその跡を追う者もない。侍のすがたが見えなくなってから、騒ぎはいよ/\大きくなりました....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たからな」 鎖を忘れられた聖バーナード犬が、物悲しげに啼きながら、セレナ夫人の跡を追うて行ったのが最後で、三人が去ってしまうと、入れ違いに一人の私服が先刻命じ....
単独行」より 著者:加藤文太郎
のが山麓の部落あるいは山小屋にいたり、優れたる案内人や好指導者を有する登山隊の足跡を追うて高峻岳に登攀せんとするものがあると伝えられる。もし真なりとせば、かくの....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
、もしか僕が貴女の前に現れなかったら、僕のことは永劫に忘れて呉れ給え。決して僕の跡を追うなかれ。四方木田鶴子を信ずるなかれ、近づくなかれ。さらば……。 三月二十....
フランダースの犬」より 著者:菊池寛
た足がつづく限り、暗い夜の雪みちを走りに走って行きました。ただひたむきにネルロの跡を追うばかりです。もしこれが人間であったら、あるいはそのおいしい御馳走と、暖い....
太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
れきり亡びるのではない事を知りました、この上は吾々は大なる慰安の下に、彼ら同胞の跡を追うことが出来るのです、ああ先生の教訓は、吾々をして、大善智識の化導と同様な....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
のかと胸騒ぎがします。あんな様子を見られて、さぞかしおいやだろうと思うのに、私の跡を追うようにしてお出になったのはと思うと、うっかり口も開かれません。いつもお忙....
花筐と岩倉村」より 著者:上村松園
時、御寵愛の照日前に玉章と形見の花籠を賜わったが――照日前に、花筐を持って君の御跡を追うて玉穂の都に上ったときが、あたかも君が紅葉の行幸に出御あらせられ、このと....
叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
の孤村君は今年八月の芙蓉咲く夕に先ず逝き、それより一月あまりにして英一もまたその跡を追う。今年の雑司ヶ谷の秋やいかにと思いやれば、重き頭もいよいよ枕に痛む。 柿....
」より 著者:カフカフランツ
かに埋まって、無関心げに彼が近よっていくのをながめていた。ちょうど猫の歩いている跡を追うようであった。Kが自分のすぐそばに立って挨拶し、二頭の馬が暗がりから浮か....