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跡取り
「跡取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
跡取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
公などしていても多寡が知れている。おれと一緒に西国へ来て大商人《おおあきんど》の
跡取りになれと囁《ささや》いて聞かせた。 六三郎は夢のようであった。行くえの知....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
のお腹さまがあまりご身分でない婢女《はしため》でござりましたゆえ、ただおひとりの
跡取りでありながらとかくうとんぜられがちなところへ、ふと悪心をいだきましたものは....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ませんか、ちょうどこの辺ですよ、今だんなのいらっしゃるあたりだというんですがね、
跡取りの長男夫婦が急にふらふらと変な気になって、その鴨居《かもい》からぶらりとや....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
じゃあねえのか」 「主人の兄きの娘です。兄きは次右衛門といって、本来ならば総領の
跡取りですが、若い時から道楽者で、先代の主人に勘当されてしまって、弟の次兵衛が関....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
…。わたくしも手放すのは忌《いや》でしたけれども、向うへ引き取られれば立派な店の
跡取りにもなれる。つまり本人の出世にもなることだと思いまして、産れると間もなく和....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
辺の或大名屋敷の留守居役で、歌女代をぜひ自分の持ち物にしたいという註文であった。
跡取りの娘であるからそちらへ差し上げるわけには行かないと、歌女寿はわざと焦らすよ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
旧家で、手広く商売を営んでいた。 駿河屋の主人仁兵衛は八年以前に世を去ったが、
跡取りの子供がない。但しその以前から主人の甥の信次郎というのを養子に貰ってあった....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
になった。本来ならば主人の死去と同時に永の暇ともなるべき筈であるが、かれの腹から
跡取りの若殿を生んでいるので、妾とはいえ当主の生母である以上、屋敷の方でも、かれ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
人並の娘で、これまでに悪い噂もなかった。なにしろ親ひとり子ひとりの尾張屋で、その
跡取り娘をうしなった喜左衛門のかなしみはひと通りでない。ほかから養子をするか、そ....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
の汚水を集めて濁っている。 復一が六年前地方の水産試験所を去って、この金魚屋の
跡取りとして再び育ての親達に迎えられて来たときも、まだこの谷窪に晩春の花々が咲き....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
わたくしは心配性の逸作に向って、わたくしが父の死を見て心悸を亢進させ、実家の
跡取りの弟の医学士から瀉血されたことも、それから通夜の三日間|静臥していたことも....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
そこに落ちつくのであった。 ※ ところがその後、セルゲイはぱったり
跡取り息子の話をしなくなった。セルゲイの口に、跡とりの話がのぼらなくなるや否や、....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
たくしは手放すのはいやでしたけれど……。(又泣く。)向うへ引取られれば立派な店の
跡取りにもなれる、つまりは本人の出世にもなることだと思いまして、生まれると間もな....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
すように余儀なくされるのである。それで、橘屋の娘にしたところで生れ付き、金持ちの
跡取り娘の脾弱い体質から、がっちりしたものに縋り度い本能があって、それが偶然の機....
「俗臭」より 著者:織田作之助
的なものへの憧れの一つの原因といってもよい。 先年、四人の娘を産んで、五人目に
跡取りの男子を出産したのを機会に、避妊のため、卵巣切開手術をうけるべく、政江はわ....