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跪
「跪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
跪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
》の服を着たラスコルニコフが一人、七八年たった今日《こんにち》もぬかるみの往来へ
跪《ひざまず》いたまま、平《ひら》に諸君の高免《こうめん》を請いたいと思っている....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
こう云うと沙門は旗竿を大きく両腕に抱《いだ》きながら、大路《おおじ》のただ中に
跪《ひざまず》いて、恭《うやうや》しげに頭を垂れました。そうして眼をつぶったまま....
「影」より 著者:芥川竜之介
に、時々声もなく動いていた。
その内にもう一人の陳彩は、房子だった「物」の側に
跪《ひざまず》くと、そっとその細い頸《くび》へ手を廻した。それから頸に残っている....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
をお通し下さいまし。」
進退共に窮《きわ》まった尼提は糞汁《ふんじゅう》の中に
跪《ひざまず》いたまま、こう如来に歎願した。しかし如来は不相変《あいかわらず》威....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
ぼうぜん》としばらく佇《たたず》んでいた。が、孫七やおすみを見ると、急にその前へ
跪《ひざまず》きながら、何も云わずに涙を流した。孫七はやはり眼を閉じている。おす....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
がら、怯《お》ず怯《お》ず堂の奥へ歩み寄った。すると薄暗い聖壇の前に神父が一人|
跪《ひざまず》いている。女はやや驚いたように、ぴたりとそこへ足を止めた。が、相手....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
さる。」――そう思うと彼の心には、新しい勇気が湧くような気がした。彼は枯木の下に
跪《ひざまず》いて天上の神々に祈りを捧げた。
その後《のち》彼はまた樅《もみ》....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
ご》の念珠《ねんじゅ》を爪繰《つまぐ》って、毘留善麻利耶《びるぜんまりあ》の前に
跪《ひざまず》いた日本を、その彼が訪れなかったと云う筈はない。更に平凡な云い方を....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
ら合唱が聞こえ始めた。会衆の動揺は一時に鎮って座席を持たない平民たちは敷石の上に
跪いた。開け放した窓からは、柔かい春の光と空気とが流れこんで、壁に垂れ下った旗や....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
を礼拝するのに、炎熱に苦しめられている南種は同じく太陽を神聖視しながらも、夕日に
跪伏する。回教徒が夕日を礼拝するように仏教徒は夕日にあこがれ、西方に金色の寂光が....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、さながら白蓮華を競って咲いた。 ――白雪の階の下に、ただ一人、褄を折り緊め、
跪いて、天女を伏拝む女がある。 すぐ傍に、空しき蘆簀張の掛茶屋が、埋れた谷の下....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
に手を放して、その手で、胸を打って、がばと眼を開いた。 なぜなら、今そうやって
跪いた体は、神に対し、仏に対して、ものを打念ずる時の姿勢であると思ったから。 ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
なつかしい懐剣までもきちんと載せられてありました。 私はわれを忘れて御神前に拝
跪して心から感謝の言葉を述べたことでございました。 大体これが岩屋の修行場から....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
た、閻魔大王に違いありません。杜子春はどうなることかと思いながら、恐る恐るそこへ
跪いていました。 「こら、その方は何の為に、峨眉山の上へ坐っていた?」 閻魔大....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
籍だ。人は戸籍に登録されているために貴いのだ。戸籍を、法律上のこの神を、崇めよ、
跪け! 国家は、戸籍を変える権能を持っているために、殺しても好いのだ、仮にいま....