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跪拝
「跪拝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
跪拝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
はそういって、額《ぬか》ずく雪之丞を見下ろすと、祭壇に向って、柏手を打ち、深く、
跪拝《きはい》して、いつも神霊の前に供えてある、黒木の箱の蓋《ふた》をはねると、....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
たところ、早速の頓智《とんち》で馬に群衆中より帽に十字を帯びた一人を選んで低頭|
跪拝《きはい》せしめ、魔使ならこんな真似をせぬはずと説いて免れたという、その前後....
「C先生への手紙」より 著者:宮本百合子
然として、彼女の道をよき改革へ進めますでしょう。 斯ういう婦人の裡には、真個に
跪拝すべきよき力が漲って居ると思います。時には、うんざりさせてしまうような調子の....
「過渡人」より 著者:豊島与志雄
寄せて来た。それは古い礼拝堂の廃屋の中に立ちつくしたような荒廃《デザーテッド》な
跪拝の心持ちであった。彼は立ち上って蒼空と大地との間に何かを模索するような眼差し....
「バラック居住者への言葉」より 著者:豊島与志雄
である。家庭の神――それが本当の家庭の心である。バラックに住む諸君は、家庭の神に
跪拝するの心地を、味い得たことであろう。 家庭を愛するの心は、他の博い愛の基を....
「「沈黙」の話」より 著者:豊島与志雄
者があり、往々、年老いた善男善女の参詣者まであって、鉄柵でふさがれてる洞窟の前に
跪拝し、傍の小堂から守札を頂いてゆく。 それが、仏にしては珍らしい、恋愛の守護....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
めの間彼は、彼らが新教のある小派の典礼に属してることだと、思い込んでいた。聴衆は
跪拝《きはい》していた。弟子《でし》らは敬虔《けいけん》で、偏狭で、攻撃を好んで....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
授することをしか口にしないからである。 そしてクリストフは、毎朝ペンを執る前に
跪拝《きはい》した老ハイドンの知恵を理解した。……戒心し祈れよ。われわれとともに....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
さい》するは誤りであった。一八一四年において、裏切れるあの将軍らの前から、一度|
跪拝《きはい》せしものを凌辱《りょうじょく》しながら、汚行より汚行へ移りゆきしあ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
側に、少なくともその横手に、魂の権利がある。
狂言を押しつぶし、無窮なるものを
跪拝《きはい》すること、それが法則である。創造の木の下にひれ伏し星辰《せいしん》....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
のだった。それは一種の遠方からの景慕であり、ひそかな沈思であり、知らぬ人に対する
跪拝《きはい》であった。青春の前に現われた青春の幻であり、夢の状態のままでローマ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
るのはむずかしい。遅かれ早かれ何物かが美しい世界へ踏み込んで来て、迷える魔術師を
跪拝せしめなければならないのである。 ある日の午後の黄昏に近いころであった。彼....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
反するその二つは、実は一体の神に祭らるべき運命にあった。フランスの民衆はその前に
跪拝《きはい》した。彼らのうちにおいてその二つは、あるいは矛盾し、あるいは一致し....
「二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
*85 われわれが「価値」に媚《こび》を送る間は、われわれは「表現」に
跪拝《きはい》しなければならぬだろう。 「表現」は永遠に不実な、気まぐれな、精神....
「グーセフ」より 著者:神西清
がする。誰も彼もこんな目に逢うものだろうか。 司祭はグーセフに土を撒きかけて、
跪拝する。三人が「永遠の記念」を唱和する。 当直番が板の端を持ち上げる。グーセ....