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跳ね返す
「跳ね返す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
跳ね返すの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
めなかった。彼自身の眸《ひとみ》から出る怒《いか》りと不快とは優にそれらの襲撃を
跳ね返すに充分であった。 細君は遠くから暗《あん》に健三の気色《けしき》を窺《....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
会的|諷刺家の性分で、父親はそれが娘だとぐっと癪に触った。しばらく黙っていたが、
跳ね返す警句を思いつく気力もなく、 「兄弟分でもなんでもない、全く一つのものだ」....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
めた時に、何故偽って逃亡したのか」 「逃亡した訳じゃない」 支倉は主任の言葉を
跳ね返すように、 「警察などと云う所は詰らぬ事で人を呼び出して、三日も四日も勝手....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
母が最も強い者であった。彼女が親の権利を真向にかざして圧しつけて来る時に、それを
跳ね返すのは並大抵のことではない。殊に白柄組の申合せとして、第一に義理を重んぜよ....
「上海」より 著者:横光利一
った。吐け口を失った工女の群は非常口の鉄の扉へ突きあたった。が、扉は一団の塊りを
跳ね返すと、更に焔の屋根の方へ揺れ返した。参木はもはや自分自身の危険を感じた。彼....
「ダルマ船日記」より 著者:山之口貘
じが、梃子を伝わって力一杯の全身にかんじられた。たっぷりとした川面の弾力が船首を
跳ね返すと、橋の梁から舳先を引っ外ずすのだった。 あの時の船は空っぽで、従って....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
木が石楠のように頑強な枝を張って、嵩にかかって押し通ろうとする私達を手鞠のように
跳ね返す、笹が思い切って深くなる、其中をおずおず下って行くと、前面の霧が幕を絞る....