» 跳び退

「跳び退〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

跳び退の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:ゴーゴリニコライ
顔の微笑はさらに大きく拡がった。が、その途端に、まるで火傷でもしたように彼は後へ跳び退いた。自分の顔の鼻の位置がまるで空地になっていることを想い出したのである。....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
んできたものがあった。 「あっ、水だ!」と熊城は、思わず頓狂な叫び声を立てたが、跳び退いた機みに蹌踉いて、片手を左側にある洗手台で支えねばならなかった。しかし、....
旅愁」より 著者:横光利一
、パリでの二人の生活の縒りを戻そうと、一歩を踏み出そうものなら、忽ち体をかわして跳び退く用意さえ真紀子の方にある、滑らかな、辷り廻ってゆく心も感じられ、彼は彼で....
反逆」より 著者:矢田津世子
…今ね、鼠が……」 スイッチを探すお松の手に、男の裸な胸が触れた。彼女は二三歩跳び退いた。 「電燈つけちゃ駄目だ。鼠が逃げてしまうからね。折角此処迄追いこんだ....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
水夫は片手を差し伸ばしながら言った。 「手を触るな!」とシルヴァーは一ヤードほど跳び退きながら叫んだ。それは熟練した体操家のような速さと確かさだと私には思われた....
青玉の十字架」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
薄暗の木蔭から跳り出た。フランボーは芸術家であり、またスポーツマンであった。彼は跳び退いてヴァランタンに叮嚀にお辞儀をした。 「友よ、私にお辞儀したもうな」ヴァ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、ぎゃッという声が床へたたきつけられていた。武蔵は木剣を高くあげてその一瞬にもう跳び退いているのだ。 「どうしたッ?」 どやどやと阿巌のまわりには同門の法師た....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
った。 「――やっ?」 虚無僧は、手を放した。 又八もやっと彼の手をのがれて跳び退いた。 自分の拳が痛くなるほど、憤怒を出しきった虚無僧は、肩で息をしなが....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ういったのは、もうそこへ迅い跫音を弾ませて来た男でもあったし、また、それに驚いて跳び退いた又八の異口同音の声でもあった。 朱実の心配していた恐い男なる者が、つ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
は。 で、一応、 「おのれ、後に悔ゆるな」 警告を与えておいて、自分は数歩|跳び退いたが、不可思議な棒の使い手は、 「なにを、洒落くせえ」 と喚きながら、....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、目礼を交わした。するどい血相が双方の顔に映り合った。とたんに、ぱっと五郎次から跳び退いた。 だが、小次郎の体は、モチ竿に着いた小鳥のように、槍柄の下に添って....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いた。その刀を抜くや否、伊織は、 「こいつめ!」 斬ってかかった。 丑之助は跳び退いた。伊織は彼が怯んだと思って、ぶつかるようにまた、追いかけて斬りつけた。....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ッた俊基の右手は、盲目的にそれへ向って、抜き打ちを加えようとした。 「私ですっ」跳び退いた一人がさけんだ。 「――弁ノ殿、菊王でございまする」 「やっ、戻ったか....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、みずからそこの障子をサッとあけた。 浄明はその不意なのにおどろいた。濡れ縁を跳び退くやいな、庭面の遠くで片手と片膝を地についた。そしてさて、胆をすえてから、....
旗岡巡査」より 著者:吉川英治
引っ張り出した。 途端に、 「――あっ?」 権十は喚いた。 びッくりして、跳び退いた弾みに、苫の天井でひどく頭を打った。狭いので足はまた、お松の寝顔にけつ....