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「踊り手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

踊り手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
げにそこにしょんぼりと立った。その夜の二人は妙に無感情な一対《いっつい》の美しい踊り手だった。葉子が「一二三」と相図をすると、二人は両手を腰骨の所に置き添えて静....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ちに、 「待つウ身にイ、つらーアき、置きイごたーアつ」も通り抜けて、終りになり、踊り手は畳に手を突いて、しとやかにお辞儀をした。こうして踊って来た時代もあったの....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
踊のように、円陣を作って踊るのである。笛と太鼓はほとんど休みなしに囃しつづける。踊り手も休み無しにぐるぐる廻っている。しまいには刀を抜いて、飛び違い、行き違いな....
田舎教師」より 著者:田山花袋
過ぎからは、人がますます多く集まった。踊りつかれると、あとからもあとからも新しい踊り手が加わって来る。輪はだんだん大きくなる。樽拍子はますますさえて来る。もうよ....
沓掛より」より 著者:寺田寅彦
また蓄音機の音が飛び込んで来る。所かまわず歌の途中からやにわに飛び込んで来るので踊り手はちょっと狼狽してまた初手からやり直しになる。すると、拡声器の調節が悪いた....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
の小娘が客の一人に抱えられていた。まだ昼前なので遠くの街から集まって来た人達より踊り手には近所の見知り越しの人が多かった。それ等の中には革のエプロンの仕事着のま....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
花が咲いたようです。折柄、参詣の人の足もとどまり、近所あたりの人もたかって来る。踊り手も、それで一層、張合いになって踊りもはずみました。 そこで、自然、宇治山....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
すと脱兎の如く船底をめがけて駆け込んでしまいました。 興|酣《たけな》わにして踊り手に逃げられた船の客は呆気《あっけ》に取られ、囃子連も張合いが抜けたが、しか....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
たちと、藤間は勘十郎、勘右衛門の両家、花柳からも、あらそって出演し、新橋芸妓では踊り手の七人組をはじめ大勢が出てくれた。 自作の新舞踊劇「空華」は奈良朝時代の....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
実際彼はその顔をまっ先に認めた。彼は室の隅《すみ》にすわった。そこからゆっくりと踊り手らの動きがながめられた。彼は気づかれないようにごく注意していたが、ロールヘ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
思うと、どう致しまして。踊らせる方がよほど引き立つ。 この十六名のいと心にくき踊り手が円陣をつくって楽を奏し読経しつつ静々と舞い歩く中央には、今しも老師が喜兵....
貞操問答」より 著者:菊池寛
あった。 夫人は、案外無関心に、その舞台を眺め終ると、早速舞台裏へかけ込んで、踊り手のお母さんに、お祝いやら、お世辞やらを述べた。 その周囲に、ウヨウヨして....
京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
申しますのも、この所作をお踊りになる、岩井半四郎が、自他ともにゆるした、日本一の踊り手というのでございますから、この土地の、お芝居ずきの方々には、それこそ、どう....
宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
らこんなことがやれるものではない。年中喧嘩だろう。今は一人一人が光る歌い手であり踊り手であり、演技者であることが必要になって来ている。それには女の方が器用である....
」より 著者:カフカフランツ
げだが高く一跳びして、踊っている連中のところへ飛び下りた。はじめは彼らは、新しい踊り手が舞いこんだとでもいうふうに、彼女のほうを振り向いたのだった。事実、一瞬の....