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踊り狂う
「踊り狂う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
踊り狂うの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画時代」より 著者:寺田寅彦
ズ音楽とまさに同種類の芸術である。ジャズも客観的に鑑賞するものではなくて、自分で
踊り狂うと同価値の活動そのものだからである。その証拠には、街頭を歩いているラッパ....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
眼はことごとく自己の出立点に向う。始めて生の隣に死が住む事を知る。妄《みだ》りに
踊り狂うとき、人をして生の境を踏み外《はず》して、死の圜内《けんない》に入らしむ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
うなら、遊山致してつかわそうぞ」 あちらへのそり、こちらへのそり、ウチワ太鼓、
踊り狂ういやちこき善男善女の間を縫いながら、逃げのびた女やいずこぞとしきりに行方....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
前あたりから運上所を中心にする新開地の一区域にまであふれるように入り込んで来た。
踊り狂う行列のにぎやかさ。数日前までほとんど生きた色もなかったような地方の住民と....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
地の一つとして文化の栄えた所。 96 舞い男――イスラム教の教団の一つに歓喜して
踊り狂うことによって神との合一の三昧境を現出しようとするのがあるが、この教団に属....
「旅愁」より 著者:横光利一
った。
「しかし、とにかく、パリ祭も変れば変るものだなア。毎年このあたりの通りは
踊り狂う群衆で、もう電車なんか通れたもんじゃなかったんだが、どうだ、このさびれ様....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
、化物出ると聞き、自ら望んで往き宿る。夜五|更《こう》になれば変化《へんげ》出て
踊り狂う。一番の奴の唄に「東野のばずは糸しい事や、いつを楽とも思いもせいで、背骨....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
ナバル祭の如きは素晴らしいものである。それこそ終日終夜、全市の老若男女が入り乱れ
踊り狂うのだから、あんな愉快な大騒ぎこそ羨ましく思う。そしてその仮装の気が利いて....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
。そしてその深夜十三世紀の円塔内のキャバレで、貧しい音楽に悲しいまでにたのしげに
踊り狂う兵士とその恋人や、売子娘とその相手や、町の女、町の男達をぼんやりと眺めな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
へ練り出して、馬をとどめて立つと、その周囲を輪になって、人という人が夢中になって
踊り狂うのは、冷やかに見ていると、物につかれたとしか思われない振舞です。 こう....
「南島譚」より 著者:中島敦
満期になる頃だったので、リメイも彼を伴っての帰村を承知した。二人は篝火のまわりに
踊り狂う村人達の目を避け手を携えて間道から浜に出ると、先程繋いでおいた独木舟に乗....
「鱗粉」より 著者:蘭郁二郎
、惜気もなく露出し、思い思いの大胆な色とデザインの海水着をまとうて、熱砂の上に、
踊り狂うのである。 ――なんと自由な肢体であろう。 それは、若き日にとって、....
「環礁」より 著者:中島敦
パンパンという烈しい音を立て、腰をひねり奇声を発しつつ、多分に性的な身振を交えて
踊り狂うのである。 歌の中でも、踊を伴わないものは、全部といって良い位、憂鬱《....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
めると、ここは衣姫の機織る場所ではなくして、森の精――サチルスやジレニ――が恣に
踊り狂う饗宴の場所であるように想われる。されど今はこれ等の精も森の奥の何処かの洞....