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踊子
「踊子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
踊子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「火の鳥」より 著者:太宰治
た。けさ、はやく、三木から電話で、戸山が原のことを聞き、男は、いやだねえ、とその
踊子の友だちと話合い、とにかく正午に、雪解けのぬかるみを難儀しながら戸山が原にた....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
わあ!」とわけの分らぬ叫び声をあげた。驚いて豹一が見ると、赤井はフラフラダンスの
踊子のように両手を妖しく動かせて、どすんどすんと地団太を踏みながら、長い舌をぺろ....
「世相」より 著者:織田作之助
の風に首をすくめながらでは、色気も悩ましさもなく、古い写真のように色あせていた。
踊子の太った足も、場末の閑散な冬のレヴュ小屋で見れば、赤く寒肌立って、かえって見....
「河明り」より 著者:岡本かの子
のあのすばらしく捌きのいい踊りを眺めていた時の彼女に、私はその踊りを習わせて、名
踊子にしたい慾望さえむらむらと起ったほど、それにも相応しいものがあった。 一体....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
に苔が生えていた。そこにあたかも雪のように、純白の花を開いているのは、富士植物の
踊子|卯木で、卯木の花は散っていた。微風がソヨソヨと戦ぐからであろう。富士|薊の....
「葉」より 著者:太宰治
の日本橋でのあきないは非常に少なかった。第一日目には、赤い花が一本売れた。お客は
踊子である。
踊子は、ゆるく開きかけている赤い蕾を選んだ。 「咲くだろうね」 と....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
鍋焼饂飩と稲荷鮨 からッ風 納豆と朝湯 歳の市 大晦日 見附と御門 江戸芸者と
踊子 人情本と浮世絵 見番と箱屋と継ぎ棹 挿画・江戸川朝歌 (竹久夢二の別名) ....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
今時そんな間違いがあるものか。それとも、おさらいの看板が見えるから、衣裳をつけた
踊子が涼んでいるのかも分らない、入って見ようと。」 「ああ、それで……」 「でご....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
の前に、先刻の囃子屋台が、大な虫籠のごとくに、紅白の幕のまま、寂寞として据って、
踊子の影もない。はやく町中、一練は練廻って剰す処がなかったほど、温泉の町は、さて....
「モンアサクサ」より 著者:坂口安吾
浪花節やら、漫才やらそんなのが膝すりよせてヒソヒソと何か打合せに来たり、可愛いゝ
踊子さんが役を頼みにきたり、そこで私は大喜びで、 「ちょッと/\」 大慌てに、....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
唇を押しあて、せつ子は理性を失った別人であった。唇をはなして、 「さっきの裸体は
踊子よ。私の裸体は、もっとキレイ。もっとステキだわ」 情熱にふるえて、ウワゴト....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
で来たと耳にはいっているのに、こんな筈はないと、囁きあうのも浅ましい顔で、三人の
踊子はがたがたふるえていた。 ひと頃上海くずれもいて十五人の
踊子が、だんだん減....
「世界の裏」より 著者:国枝史郎
その一階の居間に、四人の男女がいた。公爵その人と、ドミトリー大公と、大公の愛人の
踊子のカロリと、右党の闘将ブリスケウィッチとであった。いずれもラスプーチン排撃の....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
の皮の疣々のようでもあります。そうして、一飛ずつ大跨に歩行くのが、何ですか舶来の
踊子が、ホテルで戸惑をしたか、銀座の夜中に迷子になった様子で。その癖、髪の色は黒....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、天井まで湧返る筈を、かえって、瞬間、寂然とする。 もうその時、天人は、転んだ
踊子が、お母さんに抱かれるように、お悦に背を支えられて、しかし静に、橋がかりを引....