踏ん張り[語句情報] » 踏ん張り

「踏ん張り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

踏ん張りの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
|歩《ぶ》じゃあしょうがねえ。なんとか助けておくんなせえ」 「それが鐙《あぶみ》踏ん張り精いっぱいというところだ。一体このあいだの五両はどうした」 「火消し屋敷....
」より 著者:徳田秋声
来た。 汽車のなかで子供は雫のたらたら流れる窓硝子に手をかけて、お銀の膝に足を踏ん張りながら声を出して騒いだ。背後の方から、顔を覗いて慰したり、手を出しておい....
古き小画」より 著者:宮本百合子
ムの捕繩で首をからまれてしまった。白いラクーシュにのったルスタムは、確かり馬上に踏ん張り、大力を出して、引きよせようとする。アフラシャブはすっかり動顛し、叫び、....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
して、一寸鼻の先を掛布団の端から覗かしたが、いきなり室の真中に這い出して、手足を踏ん張り背中を円くして、大きな欠伸《あくび》をした。昌作も何ということなしに起き....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
キラキラと光らせていた。 その前に立っている弦四郎の態度の、毒々しくあせってと踏ん張り、胸へ両腕を組んでいる。 と、そういう弦四郎であったが、にわかに磊落に....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
届いて来たのであるから。 「ああそうだったあの女子だった」と転ばないように両足を踏ん張り、両膝へ両手をいかめしく突き、突いた手の甲と差し出した顔の、頤ばかりを薄....
南国太平記」より 著者:直木三十五
の中から、棺を土の上へ、押上げていた。 「よいしょ」 「こらっ」 二人は、足を踏ん張り、土を掴み、歯を食いしばって、押出していた。 西郷は、静かに、近づいて....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
けるが、野球における投手の投球動作でも、そのフィニッシュにおける足の爪先の方向や踏ん張りに主点をおき、そこを中心に身体の回転を起すことをきびしく注意したら、一段....
岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
、茶袋を縁先へ投げ出したのである。見れば、袋のなかに僅かに十数匹の蝗が、飛び脚を踏ん張り合って、揉み合っているだけである。米が不作の年には、蝗まで不作であるとみ....
流刑地で」より 著者:カフカフランツ
して眼を上げ、受刑者がやっていたことに気づいて、銃を捨てると、靴のかかとで地面に踏ん張り、受刑者を引きもどした。そのため、受刑者はすぐ倒れてしまった。すると兵士....
父の出郷」より 著者:葛西善蔵
樹間の暗い高い石段を下り、そこから隣り合っている老師のお寺の石段を、慄える膝頭を踏ん張り、合掌の姿勢で登って行ったのであった。春以来二三度独参したことがあるがい....