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「踏出し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

踏出しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
》へ掛けて血は流れ、素肌に馬の腹掛を巻付けた姿《なり》で庭口の所へ斯《こ》う片足踏出して、小座敷の方を睨《にら》みました其の顔色《がんしょく》は実に二《ふ》タ眼....
富士」より 著者:岡本かの子
終ると冷えた身体を撫でさすりいささかの暖味に心を引立たして貰って、きょうの旅路の踏出しにかかった。 鶏はおちこちで鳴き盛って来たが、行く手の垂れ雲は晴れようと....
新生」より 著者:島崎藤村
こからもっと自己を強くすることを学ぼうとした。一歩《ひとあし》も自分の国から外へ踏出したことの無い岸本のようなものに取っては、遠い旅の思立ちはなかなか容易でなか....
鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
、今万屋の軒先へさしかかった時、 「甚左衛門ッ」 大音声の終らぬうち大きく一足踏出した又右衛門の来金道、閃くと共に右脚を斬落としてしまった。馬から落ちる隙も刀....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
者は歩きつけねえから旅へ出ると意気地はねえ、私も宿屋にいますが、時々客人が肉刺エ踏出して、吹売に糊付板を持って来うてえから、毎でも糊板を持って行くだが、足の皮が....
」より 著者:島崎藤村
ん、よく考えてご覧なさい」という言葉を聞いて、三吉は旧師の門を出た。一歩家の方へ踏出してみると復た堪え難い心に復った。三吉は自分の家の草屋根を見るのも苦しいよう....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
る。奇麗に掃いた禾場に一面の穂麦を敷いて、男は男、女は女と相並んでの差向い、片足踏出し、気合を入れて、一上一下とかわる/″\打下ろす。男は股引に腹かけ一つ、黒鉢....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
だと云うから、奉公に遣った所が、職人の事だから道楽ぶちゃアがって、然うして横根を踏出しやアがって、婆さま小遣を貸せと云うから、小遣は無いと云うと、それじゃア此の....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
ょう》などを夢みて居たかも知れぬが、秀吉は平家とは違う。おまけに源平の時は東軍が踏出して戦っているのに、北条氏は碌《ろく》に踏出しても居ず、まるで様子が違ってい....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、与八はそれこそ、また時に取っての縁――ともあれ、その有野村の藤原家というのへ踏出しの縁を置いてみようという気になって、ここを出立しました。 その道中――と....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
、駒下駄に、未練なものか。自分のなんざいつの昔|失くなしている。――実はどちらへ踏出して可いか、方角が分らんのです。もっとも線路の見当は大概に着いてたけれども、....
近藤勇と科学」より 著者:直木三十五
がすると、大きい身体と、白刃とが近藤の眼の隅に閃いた。 (やったな) と、一足踏出した途端、その男は、刀を頭上に振上げたまま、よろめきよろめき二三歩進んだ。そ....
環礁」より 著者:中島敦
を突いて来たから、日本流の刺身に作ったという。 少年について一歩日向の砂の上に踏出した時、タマナ樹の梢から真白な一羽のソホーソホ鳥(島民がこう呼ぶのは鳴き声か....
」より 著者:犬田卯
藤作老と同じようなことを言い、さらに付け加えて、「いや、瘤村長の噂はこの地方十里踏出してもまだ知れているんですからね。退治なくてはならんと、みんなが言っているよ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
忠告を受けた時の二葉亭の胸中|万斛の遺憾苦悶は想像するに余りがある。折角|爰まで踏出しながら、何にもしないで手を空うしてオメオメとどうして帰られよう。このまま縦....