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「踏出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

踏出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
相馬の仇討」より 著者:直木三十五
、そろりそろり。畳を踏んで目を醒ましてはと、真向に振冠った刀、敷居の上から、一歩踏出すや打下す。傷は深くないが脳震盪《のうしんとう》を起すから双手を延してぶるぶ....
三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
つつっと、小刻みに寄った右源太、足を構えて、踏止まると 「ええいっ」 大きく、踏出す右脚と共に、十分に延した刀、十分の気合。 「ああっ」 と、叫んで、挟箱を....
概念と心其もの」より 著者:宮本百合子
見る事は、即ち持つならば或る欠点や、羈絆《きはん》から脱して、よりよい次の一歩を踏出す事に成るのではないだろうか。 自分はそれを詰らない事だとも、恥しい事だと....
科学に志す人へ」より 著者:寺田寅彦
か当時そういう正規の教程を怠けてしまっていたらおそらく卒業後の学究生活の第一歩を踏出す力さえなかったに相違ない。講義も演習もいわば全く米の飯のようなもので、これ....
マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
。それから直に帰朝した彼れは、もうすぐに演劇革進論者であった。時流より一足さきに踏出すものの困難を、つぶさに甞《な》めなければならない運命を彼れは担《にな》って....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
帯ぶるようにもなれば、いよいよこの一腰は離されぬものとなって、ちょっとでも門外へ踏出す事があればたとい友達と遊ぶ時にも、この一刀は帯びている。わが家へ人が訪ねて....
鴫突き」より 著者:寺田寅彦
な官能行使の要求に応じるに忙しくて、身に迫る危険を自覚し、そうして逃走の第一歩を踏出すだけの余裕もきっかけもないのであろう。ともかくも運命の環は急加速度で縮まっ....