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「踏場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

踏場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
丁度僕は船でしたっけ」 と岸本はそれを岡に言って見せた。二人の足はビリエーの舞踏場の前から、ある小さな珈琲店《コーヒーてん》の方へ向いた。小ルュキサンブウルの....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
、丸部さん、今夜の女主人公は何処に居ます、松谷秀子さんは」余は止むを得ず「多分舞踏場に誰かと踊って居るのでしょう」お浦は思い出した様に「ドレ私も舞踏しましょう、....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
下は電燈だ、お三輪は颯と美しい。 見ると、どうです……二階から下して来て、足の踏場も無かった、食物、道具なんか、掃いたように綺麗に片附いて、門を閉めた。節穴へ....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
た花を、正式、半正式、略式の三つの異なった姿に生ける必要を詳述している。第一は舞踏場へ出るものものしい服装をした花の姿を現わし、第二はゆったりとした趣のある午後....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
るが、正直なところそれも何か惜しいような気もするのである。ずっと前に一度、ふと舞踏場で、庸三は彼女と逢って、一回だけトロットを踊ってみた時、「怡しくない?」と彼....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
で、何も手につかずウロウロとしている。夜のパリは又大したものだ。モンマルトルの舞踏場バルタバランなどは、とてもとても、日本から遠めがねででも覗かねばわからないも....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
つゴセック建築の伽藍でもなければ、おれんじ色の照明にウォルツの流れる大ホテルの舞踏場でもない。さらにベデカに特筆大書してある「最新流行」の産地たる散歩街や、歴史....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
、二十三、四人が三室ばかりに襖を外したままで居るのだから、寝床を敷けば殆んど足の踏場もない位に窮屈であった。そんな風だから風邪の伝染しやすいのは尤である。この頃....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
おいたらよろしいでしょう」 「ヤ。結構々々」 星玄は満足して四人を案内する。舞踏場内では、人々は壁際へあつまり、真ん中はひろびろとして、その一角の床上に、雲助....
花束の虫」より 著者:大阪圭吉
齢若い資産家であるが、不幸にして一人の身寄をも持たなかった代りに、以前|飯田橋舞踏場でダンサーをしていたと言う美しい比露子夫人とたった二人で充分な財産にひたりな....
雪の夜」より 著者:織田作之助
しょんぼり雪に吹きつけられていた。大晦日なのだ。 だが、ピリケンの三階にある舞踏場でも休みなしに蓄音機を鳴らしていた。が、通にひとけが少いせいか、かえってひっ....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
るいていたんのでしょう』 『遊びあるいていたのです、競馬場へ入ったり、珈琲店や舞踏場へ入り浸っていたのです』 『そんなに金を持っていたのですか?』 『ええ』 『....
赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
き切れそうもないから止めよう。 やがて僕等は大世界を立ちいでて南京路の「新々舞踏場」へ案内されて行った。ダンスホールなのだ。ダンサーは全部支那娘だった。 こ....
夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
晴読雨書なのか、姿こそ農民であっても、一たん彼氏の部屋には入れば、萬巻の書に足の踏場もなかったとは次兵衛がよく話していた。あの長篇快作『ドグラ・マグラ』も此の頃....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
おおさ、この所で腹を突いたと見えて、俺が来た時は、もう黒くなりかけた血の池で足の踏場もねえくらいの騒ぎよ。」 はいって検分したさに勘次はむずむずしていたが、自....