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「踏段〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

踏段の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
オリンポスの果実」より 著者:田中英光
二三日|経《た》って、午後の練習を終え、ヘンリイ山本君の運転する、ロオドスタアの踏段《ふみだん》に足を載《の》せ、合宿まで、帰ってくると、庭前の芝生に、花やかな....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
を呼び出したとしてもそれは作者の罪ではない。ともかくもその突然な「蒲団」の心像を踏段として「蒲団丸げてものおもい居る」という句ができあがってしまえば、もはやそん....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
杜は強い肘を張ってミチミのために乗降口の前に道をあけてやった。ミチミは黙って、踏段をあがった。そのとき彼はミチミのストッキングに小さい丸い破れ穴がポツンと明い....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
いる一人の年寄の幽霊とは生前随分懇意にしていたのであった。その幽霊は、下の入口の踏段の上に見えている赤ん坊を連れた見すぼらしい女を助けてやることが出来ないと云う....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
はそのひっこんだ戸口へのそりのそりと入り込んで戸の鏡板でマッチを擦り、子供たちは踏段の上で店を張って遊び、学校の生徒は繰形《くりがた》でナイフの切味を験《ため》....
運命のままに」より 著者:豊島与志雄
んとうに考えることは苦しいことです。然しそれを通り越すことが、やがて私達の最初の踏段になるのですから。」 「では私達はまだ何も築いていないのでしょうか。」 「そ....
悪夢」より 著者:豊島与志雄
顔を上げて、私の方を見た。私が立上ると、彼女も自動人形のように立上った。そして、踏段の軋る急な階段を、私の後について下りてきて、下駄を出してくれ、表の戸を開いて....
傷痕の背景」より 著者:豊島与志雄
市街電車が嫌いだった。市街電車は、どこから云っても、箱の感じだ――出入口の小さな踏段と、扉と窓と、堅牢そうな車体と、前後につっ立ってる制御機の鉄の円筒と……を以....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
と扉を閉めきった。 クリストフは階段の中途にたたずんだ。きたない薄暗い階段で、踏段は虫に食われていた。軒窓のガラスの壊れたところから、風が吹き込んでいた。湿気....
金の十字架の呪い」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
っと幾分熱帯的に見える緑の植物が生えてる、大理石の台地のような大きな山のさびしい踏段に出て来た事だけがわかりました。私は汚れない青い海を眺めました。そして太陽は....
博物誌」より 著者:岸田国士
は明日になるだろう。 そこで、残りの時間をどうして過そうかと、ただ、あてもなく踏段の方へ歩いて行く。そして神殿の階段でも登るように、一段一段、正式の足どりで登....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
い。絵板はあくどい彩具で塗られている。それを柘榴口といって、そこを潜って、足掛の踏段を上って、湯槽にはいるのである。自然湯槽は高くなっている。今のように低くなっ....
」より 著者:カフカフランツ
向きなおり、ドアを開いて、そのなかに置き忘れていた帽子を取り出した。コニャックが踏段の上にこぼれているのを不快な気持でながめた。 それからまた紳士のほうを向い....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
(共に身を倒す。) どうぞ一しょに聖者様方を拝んで下さいまし。 御覧なさい。この踏段の下には、 この敷居の下には 地獄の火が燃えています。 悪魔が おそろしくお....
予謀殺人」より 著者:妹尾アキ夫
駅から私たちは西へむかって、ソープ村への大道を歩いたが、しばらく行くと右がわに踏段がみえて、そこをこえて小道へ出られるようになっているのがみえた。 警部はそ....