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踏破
「踏破〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
踏破の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
こう呟《つぶや》いたまま、もう一度しみじみ十円札を眺めた。ちょうど昨日《きのう》
踏破《とうは》したアルプスを見返えるナポレオンのように。
(大正十三年八月)....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
国に亘《わた》り、行程約百五十里、旅行日数二週間内外、なるべく人跡絶えたる深山を
踏破して、地理歴史以外に、変った事を見聞《けんもん》し、変った旅行をしてみようと....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
れる。村の長老は、侮蔑をもって我らを遇し、我らを虐待すること甚し。 六十余州を
踏破《とうは》するの自由は、我らの志を満足せしむる能わざるが故に、我らは五大洲を....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
がある。それに加えて、細心の思慮、縦横の才を蔵すればこそ、かの世界の魔境未踏地全
踏破という、偉業の完成もできたわけだ。その第五話の「水棲人」とは?……折竹がやお....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
速水は靴のままで、ゴトゴト板の間を踏みならしながら歩き出した。まるで無人境を
踏破しているかのように。 「この家は留守なのかい」 「どうして?……ホラ、これを....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
無残にも死に、奇蹟的にも大記録を残すことのできたわが日本人の医師がいるのだ。その
踏破録を、シトロエン文化部の発表に先だって、これから物語風に書き綴ろうとするので....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
の点では完全な一致をみたのだ。 ルチアノ一味を、向うにまわして「|冥路の国」を
踏破する。怪無電の謎を解き魔境征服という以外にも、不義の徒に対する烈々たる敵愾心....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
に候、是れ一重に諸賢登山家の御努力の致す所茲に小生有志と計り最嶮処なる穂高諸峰の
踏破を容易ならしめんと穂高小屋を計画し昨夏完成を見るに至り食料品寝具の充備は勿論....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
に、真西へ向けて、進発した。それは丁度洋上に夕闇が下りたばかりの頃だった。太青洋
踏破は、正二日半で完了する予定だった。 アルゴン大将の、特に信頼をおいていたの....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
しゅ》の礼をし、 「岡部伍長外三名、地下戦車第二号を操縦して、地下七百メートルを
踏破《とうは》、只今|帰着《きちゃく》しました。戦車及び人員、異状なし、おわり」....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
海綿性湿土をふみ、あるいは酷寒水銀をくさらす極氷の高原をゆくうちに、知らず知らず
踏破した秘境魔境のかずかず。その、わが折竹の大奇談の秘庫へ、いよいよこれから分け....
「周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
のはかれこれ十時であった。 当日同行者の一人柳川文吉氏詩あり。 懐炉扶病壮心摧
踏破霜威幾崔嵬 千里検来千古跡 山神応是春風開 右従行喜田博士探検隊一行垂教有....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
が、聞いた通り少しも違わず荷持と別れてから三日路を経てドーラギリーの北方の雪峰を
踏破し、いよいよチベットとネパールの国境たる高き雪山の頂上に到達することが出来ま....
「西航日録」より 著者:井上円了
のあたりを発した。いまよりは深く端西の地に入り、多くの山や谷のけぶるがごとき地を
踏破するのである。) 午後五時、スイスのバーゼル市に着し、ここに滞泊す。 五....
「春風遍し」より 著者:小川未明
に生れながら、しかも子供の時より国境の山々を憧憬したものを。なぜ足の達者なうちに
踏破を試みなかったか、ここにも無性が祟っている。畳の上に臥転んで、山の案内記を読....