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踏込
「踏込〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
踏込の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
一番|明かった燈が、アワヤ消えそうになっている。 その時、蛾に向うごとく、衝と
踏込む途端に、 「私ですよう引」と床に沈んで、足許の天井裏に、電話の糸を漏れたよ....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
、居合せた者が仲へ入ってやっと引分けている内に、丁度張込んでいた刑事がどかどかと
踏込んで来た。そして関係者一同はすぐに拘引されてしまった。 しかし二時間ほどす....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
のはいていた白靴のあとと大体一致するんです。そしてまた、その洗濯屋の店へ刑事連が
踏込んで調べてみると、山田なんとかってその配達人のバスケットの中から二百何円って....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
人形を作ったり、その他へんな装置をつけたりして、一体何をするのか、このへんで中へ
踏込《ふみこ》んだら、どうです」 「うん。しかし、もうすこし見ていよう」 「課長....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
れただ、内へ隠れただ。 村二 真暗だあ。 初雄 灯を消したって夏の虫だに。 管八
踏込んで引摺出せ。 村のもの四五人、ばらばらと跳込む。内に、あれあれと言う声。雨....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
、実はね、今夜あたり紀州のあの坊さんに、私が抱かれて、そこへ、熊沢だの甘谷だのが
踏込んで、不義いたずらの罪に落そうという相談に……どうでも、と言って乗せられたん....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
夫が、雪の降頻る中を、朝の間に森へ行くと、幹と根と一面の白い上に、既に縦横に靴で
踏込んだあとがあった。――畜生、こんなに疾くから旦那が来ている。博士の、静粛な白....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
溢さぬ浅翠の中に、萌葱、紅、薄黄色、幻のような早咲の秋草が、色も鮮麗に映って、今
踏込むべき黒々とした土の色も見えたのである。 「花室かい、綺麗だね。」 「入口は....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
うぞ。) なんて笑いながら、ま、どうにか通ったんだっけ。浅いと思った水溜へ片足
踏込んで、私が前へ下駄を脱いだんで、あの人も、それから跣足、湯上りの足は泥だらけ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
た羅のようでもあるし、虹で染めた蜘蛛の巣のようにも見える―― ずかと無遠慮には
踏込み兼ねて、誰か内端に引被いで寝た処を揺起すといった体裁…… 枕許に坐って、....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
都会の坊ちゃんや嬢さんが吃驚なさるような、冷いものでないだけは取柄です。ズボリと
踏込んだ一息の間は、冷さ骨髄に徹するのですが、勢よく歩行いているうちには温くなり....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
のもので、薄く小さいのが犯人の靴跡だ。二種の靴跡は、或は強く、或は弱く、曲ったり
踏込んだり、爪先を曳摺る様につけられたかと思うとコジ曲げた様になったりしながら、....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
せて仰向けに反った奴などは、そのままです。瓜の嬰児が踊っている。……それに、私は
踏込んで見る気はありませんでしたが、この二三枚を除いたほかは、つづく畠で、気のせ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
来たとて、桟橋を踏外そうという風かい。溝店のお祖師様と兄弟分だ、少い内から泥濘へ
踏込んだ験のない己だ、と、手前太平楽を並べる癖に。 御意でござります。 どこ....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
壊してしまったならドコまで行っても思索は極まりなく、結局は出口のない八幡知らずへ
踏込んだと同じく、一つ処をドウドウ廻りするより外はなくなる。それでは阿波の鳴門の....