»
踴
「踴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
踴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
入れつつ、頭《かしら》を傾けたり。 良心は疾呼《しっこ》して渠を責めぬ。悪意は
踴躍《ゆうやく》して渠を励ませり。渠は疾呼の譴責《けんせき》に遭《あ》いては慚悔....
「上高地風景保護論」より 著者:小島烏水
大連嶺の、雪に閃《ひら》めき氷に尖《とが》れる壮観に接して、北へ! 北へ! と、
踴躍《ようやく》する自然崇拝者の、憧憬を持ち得られるであろう、それからそれへと、....
「芽生」より 著者:島崎藤村
て、眼の上の白い布を取除いて見ると、子供の顔は汗をかいて紅く成っている。胸も高く
踴《おど》っている。 上野の鐘は暗い窓に響いた。 「我もまた、何時までかあるべ....
「新生」より 著者:島崎藤村
《た》れ下った枝葉の青い香を嗅《か》いだ時は何故とも知らぬ懐《なつ》かしさに胸を
踴《おど》らせたというその青年を胸に描いて見た。曾てその石に腰を掛け、膝《ひざ》....
「藁草履」より 著者:島崎藤村
あふ》れて出たとも申しましょうか。左右に長い鬣《たてがみ》を振乱して牝馬と一緒に
踴《おど》り狂って、風に向って嘶きました時は――偽《いつわり》もなければ飾もない....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
に三百。なおも果敢な肉迫戦を続けて行く中、流石の師直の本陣もさっと左右に靡いた。
踴躍して飛び込むと、早くも師直は本営を捨て、北方、北条村に退かんとして居る。恰も....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
く逃げろ!」 もう一人の老人――蔵人は老人と老婆へ声を掛け、パッとその間へ身を
踴らせ、ひたと火柱に向かい合った。 ユラユラと進んで来る火柱の主、ジリジリと後....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
ついて話そうと考えています。仏の救いを信ずるものの感ずる喜びですな、経にいわゆる
踴躍歓喜の情ですな。富もいらぬ、名誉もほしくない、私にはそれよりも楽しい法の悦び....
「運命」より 著者:幸田露伴
、王の兵を用いるの虚実を識る。先鋒となりて燕に当り、矛を揮いて前む。瞿能父子も亦
踴躍して戦う。二将の向う所、燕兵|披靡す。夜、燕王、張玉を中軍に、朱能を左軍に、....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
月夜に浮かされてやって来たのでもござろうか」 「ナニ狐?」と紋兵衛は、恐怖の瞳を
踴らせたが、「追ってくだされ! 俺は狐が大嫌いだ!」 「よろしゅうござる」 と....
「天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
の口許近く参りましたが、不意に形が小さくなり、一寸ばかりになったかと思うと、身を
踴らせて口の中へピョンと飛び込んで了いました。 途端に此方の老人はパクリと口を....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
を得ない。 「郷介の父の郷左衛門を船山城の大手へ連れ行き、磔柱へ付けてしまえ!」
踴り上り
踴り上り最所治部は狂人のように叫んだものである。 6 郷介が最所家を逐....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
いて来た。 と、不意に足を止めたが、 「これ、誰じゃ、そこにいるのは?」 一
踴! 「わッ」 一揮! 寂寥! 「おい、陣十郎切ったのか?」 「いや峯打ちだ....
「地上」より 著者:島田清次郎
いた。彼は往き来の人を見送り見迎えていた。すると電光のようにある悦ばしい考えが「
踴躍」という言葉そっくりの感情と共に現われて来た。それは、深井自身に平一郎が自分....
「奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
において一致している。したがって普通には獅子舞或いは越後獅子などの類で、獅子奮迅
踴躍の状を表象したものとして解せられているが、奇態な事にはその旧仙台領地方に行わ....