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蹤
「蹤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蹤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
的自覚の勃興《ぼっこう》を示してから間もなくの事であった。すでに自然主義運動の先
蹤《せんしょう》として一部の間に認められているごとく、樗牛《ちょぎゅう》の個人主....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
時代の茶の湯のロマンスは彼の茶|碗には見ることができない。 日本はシナ文化の先
蹤を追うて来たのであるから、この茶の三時期をことごとく知っている。早くも七二九年....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
潜行に適しないので、捕鯨船の古物である一|帆船にのって『ネモ号』というその潜船に
蹤いていったのです。すると、運の悪いことには半月あまりの暴風雨。無電はこわれ散々....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
様子で新吉を引張るようにして次に入って行くと彼等の中の二三人は物珍らしさにあとを
蹤けて入った。 中はあんまり広くなかった。酒台に向き合って二列ほど裸テーブルと....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
たんですの。どこか、近東の古いお寺から、旦那さまが宝物をお盗みになった。その跡を
蹤けてはるばるあの方が、『月長石』のように追ってきたんじゃないかしら……。宝物を....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
の歌は真言である。虚空の如き心の上でさまざまの風情を彩るといえども、そこには更に
蹤跡というものがない。この歌こそは如来の真の形体。一首に仏像を刻む思いをなし、一....
「月世界競争探検」より 著者:押川春浪
か、私の方にも目もくれず、二人でずんずん奥へ行きますからどうするかと、私も後から
蹤いて参りますると、大旦那様のお姿を見るが早いか、『やや篠山博士ですか、秋山が月....
「月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
はこの有様に吃驚して、どうしようと度を失っていると博士は手帳に、 「さああの後に
蹤いて一同も飛び降りるんだ。」 「え? ここから」 と晴次が吃驚するまもなく博士....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
に非ざるを知るべし 夜台長く有情郎に伴ふ 犬山道節 火遁の術は奇にして
蹤尋ね※まんとす 寒光地に迸つて刀花乱る 殺気人を吹いて血雨|淋たり 予譲衣を撃....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
見学してその事業的規模の大なるには驚いたが、編集態度においては岩波文庫が、その先
蹤たるレクラム文庫を恥ずかしむるものでないと、ひそかに慰むるところがあった。 ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
もない、蕪村でも大雅でもない。尺寸の小幀でも椿岳一個の生命を宿している。古人の先
蹤を追った歌舞伎十八番のようなものでも椿岳独自の個性が自ずから現われておる。多い....
「国号の由来」より 著者:喜田貞吉
釈を下し、太古天地剖判以後、大和の地は泥湿未だ乾かず、人々山に栖んで往来し、山に
蹤跡が多かったがために、ヤマトと云うのだとか、大和には太古草昧の世、未だ屋舎あら....
「西航日録」より 著者:井上円了
に、なおこの寺院をみることができることを。) これより尼連河の両岸を徘徊して旧
蹤をたずね、晩に至りてガヤに帰り、即夜の汽車にてバンキポールに着し、さらに乗車し....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
人の茶人、利休にはその欠点を見付けることが出来ません。天衣無縫と言おうか、鳥道|
蹤なしと言おうか、まるで引っかかりがありません。ただすべすべした珠玉でありました....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
、或る過去の特殊の部族の由来顛末を明らかにすることは、将来解放せらるべきものの先
蹤として、研究上最も必要なる事にこれ有り、その過去の沿革を調査することが、何らこ....