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蹲居
「蹲居〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蹲居の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
し寝不足の眼で私がうっとりと眺めて入って居ると麻川氏は私のずっと後の薄暗い床脇に
蹲居の恰好で坐り込んだ。そして暫く黙って居た。私も黙っていた。真白い犬が私の眼の....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
者押しか? 何者がどこへ行くのであろう? ――不審に思いながら庄三郎は老人の側へ
蹲居り、山査子の藪の隙間からじっと向こうをすかして見た。眼路の限りは広々とした夏....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
在なさに岩を伝って、葉子たちの姿の見えないような遠いところまで出て行って、岩鼻に
蹲居んで爽やかな微風に頸元を吹かれながら、持前のヒポコンデリアに似た、何か理由の....
「富岡先生」より 著者:国木田独歩
ず聞耳を立てた。三人は大声で笑い興じながらちょうど二人の対岸まで来た二人の此処に
蹲居んでいることは無論気がつかない。 「だって貴様は富岡のお梅|嬢に大変熱心だっ....
「郊外」より 著者:国木田独歩
は急いで中二階の方へ行った、しかし頭を垂れたまま。お梅は座敷の隅の方の薄暗い所に
蹲居で浪花節を聞いていたが、みんなが笑う時でも笑顔一つしなかった。二切りめが済む....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
や? 可笑しいぞ、彼奴そっくりだぞ?」 こう口の中で呟いたかと思うと、彼の側に
蹲居んでいた二十四五の若者へ、顎でしゃくって合図をした。 「オイ源公、今のを見た....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
。何故だろう? 蜘蛛が、自分の張った網へ、蝶が引っかかろうとするのを、網の片隅に
蹲居りながら、ムズムズするような残忍な喜悦をもって、じっと眺めている。――それと....