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「蹴散らす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蹴散らすの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
たとい彼らがあくまでも強情を張ったところで、その理屈はもう通らない。彼らの理屈を蹴散らすだけの立派な理屈がこちらにもある。頼もしくもない味方を無理に駆り集めて、....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れた。そして、昂奮を投げ交すような声でしばらく騒然となっていたが、やがて熊城が、蹴散らすようにして記者達を追い出してしまうと、再びいつものような三人だけの世界に....
真田幸村」より 著者:菊池寛
斉に試みさせる。打立てられて敵の備の乱れた所を、煙の下より直ちに乗込んで、馬蹄に蹴散らすという、いかにも、東国の兵らしい荒々しき戦法である。 この猛撃にさすが....
あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
若しもあったとするなら、馬鹿気たことではあるまいか。二重の欺瞞に魅せられて憤恨を蹴散らすとすれば、彼は本当の道化者と何らの変りもないではないか。 「道化者!」 ....
若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
るか。こんな、鎗だの、楯だの、(とそこらに組み合わせて立ててある武器、馬具などを蹴散らす)今夜あ、こんな物あ眼触《めざわ》りだ。婚礼の席には邪魔ものだ。早く片づ....
旅愁」より 著者:横光利一
して、終りにあたり、千鶴子となお結婚を渋っている矢代の態度を、どういうものだか、蹴散らすように攻めていて、了解に苦しむというよりは、むしろ手探りようもない青春の....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ま者の源三郎、火のごとくいらだって、 「こここれ! 途《みち》をひらけっ。けけ、蹴散らすぞっ……」 鏡のような、静かな顔に、蒼白い笑みをうかべた伊賀のあばれン....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
とが守人の頭脳《あたま》にひらめくと同時に、たった今までの思慕の感傷を、われから蹴散らすような足取りで、かれは川に沿うて歩き出した。 たとえ瞬間にしろ、あんな....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
か、朝は早くから野山羊と角押しする、郵便配達を追いかけるワ、橄欖《かんらん》畑を蹴散らすワ、一心に修業に心を打ち込む有様というものは、はたの見る目もいじらしいほ....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
、勘、手を貸せ。」 藤吉の声に人心ついた二人、両手と両足を一時に使って光る土を蹴散らす。万遍なく二、三寸も掘り下げると、出て来たのが伸銅《のべがね》のような一....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
くと忌々しげに、 「女などがなんだ!」 手の甲で眼をこすった。 幻想の花園を蹴散らすように、ガバと跳び起きて、ふたたび小柳生城の黒い屋形を見上げ、 「卑怯と....
三国志」より 著者:吉川英治
蜀の劉封、孟達などがおります。救いを求めて、彼の蜀軍を呼び、力を新たにして、魏を蹴散らすぶんには、荊州を奪りかえすことは十中九まで確信してよいかと思われますが」....
春泥」より 著者:久保田万太郎
、好きだから飲むんじゃァねえか、分り切った話じゃァねえか。……苦もなくそういって蹴散らすことも出来た。論より証拠この通りと、そんなキザな、ろくでもないうたがいを....