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「蹴爪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蹴爪の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二百十日」より 著者:夏目漱石
「君」 「ええ」 「ハンケチはないか」 「ある。何にするんだい」 「落ちる時に蹴爪《けつま》ずいて生爪《なまづめ》を剥《は》がした」 「生爪を? 痛むかい」 ....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
ている手提革鞄《てさげかばん》を跨《また》いだ時、甲野さんは振り返って 「おい、蹴爪《けつま》ずくと危ない」と注意した。 硝子戸《ガラスど》を押し開《あ》けて....
明暗」より 著者:夏目漱石
か。だからさ、順境にあるものがちょっと面喰《めんくら》うか、迷児《まご》つくか、蹴爪《けつま》ずくかすると、そらすぐ眼の球の色が変って来るんだ。しかしいくら眼の....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
年増の女を目がけて飛びかかった。女はあっと驚いて立ちあがると、鶏は口嘴を働かせ、蹴爪を働かせて、突くやら蹴るやら散々にさいなんだ。女は悲鳴をあげて逃げまわるのを....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
自由さをもって、私は紅玉の実を支える枝という枝に、雄鶏の脚に見るような、するどい蹴爪をかき添えるかも知れない。 なぜといって、今気がついたことだが、あすこに真....
博物誌」より 著者:岸田国士
、折も祈、新妻を迎える。そして空高く、村の婚礼を告げ知らす。 雄鶏は妬ましげに蹴爪の上に伸び上がって、最後の決戦を試みようとする。その尾は、さながらマントの裾....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
われた。それから、すばらしい雄鶏さえも、仰向けになって、添え料理の皿に横たわり、蹴爪を高く上げて、あたかも生きているあいだは武侠の精神のおかげで敢えて請おうとし....
三枚続」より 著者:泉鏡花
て賑かだろう。」 飼鶏は心あるごとく※い洋燈をとみこう見た。楯をも砕くべきその蹴爪は、いたいたしげもなくお夏の襟にかかっている。 「あっちを御覧、綺麗じゃあな....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
拶をなさいました。それから、また直ぐに、近常さんが、人の顔と頭の間で、ぐっと鶏の蹴爪を圧えたんですってね、場合が場合だもんだから、何ですか……台の車が五六尺、ひ....
澪標」より 著者:外村繁
を飼っていた。雄※は体も大きく、見事な※冠を戴いている。羽毛も美しく、脚には鋭い蹴爪がある。雌※は雄※より体も小さい。雄※は威風堂堂と胸を張って、時をつくる。雌....