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蹴破る
「蹴破る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蹴破るの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
喊声をあげて、一同は手に手に、拳銃を持って、飛び出した。扉らしいものを、いきなり
蹴破ると、地下室の広い廊下が、現れた。 薄暗い廊下灯の蔭に、猿轡を噛まされ手足....
「地獄街道」より 著者:海野十三
。これがあの沈着な辻永とはどうして思えよう。彼はクルリとふりむくと、今度は表戸を
蹴破るようにしてサッと外へ飛び出した。私には何もかも判った。実に辻永は例の妖酒を....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
烈しくなった。とうとう三十頭の馬が皆騒ぎ出したらしく、どかんどかんばりばりと板を
蹴破る音、嘶く声、急を呼ぶ人々の叫びが暴風のように、又は戦争のように場内に響き渡....
「雪の宿り」より 著者:神西清
、ちょっと使に出ましても二つや三つは目につきます。夜は夜で近辺のお屋敷の戸|蔀を
蹴破る物音の、けたたましい叫びと入りまじって聞えて参ることも、室町あたりでさえ珍....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
右に揺れていた。 更に長い時が経った。 と、要介の右の足が、さながら磐石をも
蹴破るていと充分に粘り、ソロリとばかり前へ出て、左足がそれに続いた。 瞬間多四....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
ものだろう。だって考えてもみてくれたまえ、化け猫じゃあるまいし、そんな君、天井を
蹴破るなんて……。 もしそれ「お直し」に至っては最後近くあの特異な生活の夫婦の....
「三国志」より 著者:吉川英治
――今こそ呂布を遁すなとばかりにである。――呂布は、危険を悟ったか、さっと一角を
蹴破るや否や、赤兎馬に鞭をくれて逃げてしまった。 わが城門の下まで引揚げて来た....
「三国志」より 著者:吉川英治
死地ニ生アリ――と。ご辺は、歩兵をひきいて岸に拒げ。おれは馬武者をひきいて、敵を
蹴破るから」 と、ついに浮橋を渡して、漢水を越えてしまった。 一歩対岸を踏ん....
「遠野物語」より 著者:柳田国男
炉にあたりすくみていたりしに、真昼間に戸を叩きてここを開けと呼ぶ者あり。開かずば
蹴破るぞと嚇す故に、是非なく戸を明けたれば入りきたるはヤマハハなり。炉の横座に蹈....