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躁
「躁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
躁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「沼地」より 著者:芥川竜之介
沼地の画を凝視《ぎょうし》した。そうして再びこの小さなカンヴァスの中に、恐しい焦
躁《しょうそう》と不安とに虐《さいな》まれている傷《いたま》しい芸術家の姿を見出....
「或る女」より 著者:有島武郎
に両手をさし入れて、頭を縮め気味に、波止場の石畳を歩き回る人々の姿にも、不安と焦
躁とのうかがわれるせわしい自然の移り変わりの中に、絵島丸はあわただしい発航の準備....
「或る女」より 著者:有島武郎
夜おそくなってからであっても葉子はただ子供のように幸福だった。それまでの不安や焦
躁はどこにか行ってしまって、悪夢から幸福な世界に目ざめたように幸福だった。葉子は....
「星座」より 著者:有島武郎
。それがゆえに彼の未来を切り開いて、自分の立場に一日でも早く立ち上がろうとする焦
躁《しょうそう》は激しくなった。万事につけて彼の気持はそんな風に動いていった。
....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
《お》き所に窮して、辛くも車の後《あと》に竦《すく》みたりき。乗り合いはますます
躁《さわ》ぎて、敵手《あいて》なき喧嘩《けんか》に狂いぬ。 御者は真一文字に馬....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
此家《ここ》へ入るのに肩を聳《そび》やかしたほど、平吉がかかる態度に、織次は早や
躁立《いらだ》ち焦《あせ》る。 平吉は他処事《よそごと》のように仰向《あおむ》....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
ァ当分死ぬ気づかいもないと思っておってくれたまえ。元来人間は生きたい生きたいの悶
躁でばかり動いている。そうしてどうかこうか生を寄するの地をつくっているものだ。た....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
の上に停車したまま、明るい車内には人ッ子一人残っていなかった。 高声器の近所で
躁ぐもの、喚く者は、忽ち群衆の手で、のされてしまった。 トーキーをやっている映....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
して、この中から義眼のレビュー・ガールの、名前を見付け出したい。その張りきった焦
躁で、舞台の方に向けている眼は空洞になろうとする。 ――いつの間にやら、第三コ....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
一陣の風が、どこからとなく、さっと吹きこんだ。 それと同時に、俄に騒々しい
躁音が、耳を打った。
躁音は、だんだん大きくなった。それは、まるで滝壺の真下へ出た....
「取舵」より 著者:泉鏡花
射るばかりに突進して、無二無三に沖合へ流されたり。 舳櫓を押せる船子は慌てず、
躁がず、舞上げ、舞下る浪の呼吸を量りて、浮きつ沈みつ、秘術を尽して漕ぎたりしが、....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
れに換うるにこれを以てせば、いかばかり家庭の品位を高め趣味的の娯楽が深からんに、
躁狂卑俗蕩々として風を為せる、徒に華族と称し大臣と称す、彼等の趣味程度を見よ、焉....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
に、ふわりと浮く。…… が、もう断念めたのか、半ば気を失ったのか、いささかも焦
躁苦悶の面影がない。弱々と肩にもたせた、美しい鼻筋を。……口を幽に白歯を見せて、....
「活人形」より 著者:泉鏡花
「光来、光来。ここまで光来と、小手にて招くに、得三は腰に付けたる短銃を発射間も焦
躁しく、手に取って投附くれば、ひらりとはずして遁出すを、遣らじものを。とこの度は....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
安んじて耐忍、進取の気風なきを憂え、政治社会に立つものは、わが人民の議論つねに軽
躁に走りて遠大の見識なきを憂え、会社事業をとるものは、わが人民の結合力に乏しきを....