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「躍り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

躍りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
おとっ》さんが、生き返った。」 童部《わらべ》は竹馬を抛り出すと、嬉しそうに小躍りして、また父親の傍へ走りよりました。が、その手で抱《だ》き起されるまでもなく....
金将軍」より 著者:芥川竜之介
ふい》を打たれた金将軍は桂月香を小腋《こわき》に抱えたまま、高い梁《はり》の上へ躍り上った。が、行長の投げつけた剣は宙に飛んだ金将軍の足の小指を斬り落した。 ....
尼提」より 著者:芥川竜之介
お前は仕合せものだ。一たび如来のお弟子《でし》となれば、永久に生死《じょうじ》を躍り越えて常寂光土《じょうじゃっこうど》に遊ぶことが出来るぞ。」 尼提はこう言....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
の醜い若者はこの新しい遊戯を見ると、すぐに弓矢を砂の上に捨てて、身軽く河の流れを躍り越えた。そこは彼等が飛んだ中でも、最も幅の広い所であった。けれどもほかの若者....
将軍」より 著者:芥川竜之介
た。「ピストル強盗、清水定吉、御用だ!」――彼はそう叫ぶが早いか、いきなり盲人へ躍りかかった。盲人は咄嗟《とっさ》に身構えをした。と思うと眼がぱっちりあいた。「....
星座」より 著者:有島武郎
して恐ろしく掌の厚ぼったい両手を発矢《はっし》と打ち合せて、胡坐《あぐら》のまま躍り上がりながら顔をめちゃくちゃにした。 「星野って奴は西山、貴様づれよりやはり....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
き車夫はいっせいに吶喊《とっかん》して馬を駭《おど》ろかせり。馬は懾《おび》えて躍り狂いぬ。車はこれがために傾斜して、まさに乗り合いを振り落とさんとせり。 恐....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ぶ、とこれに驚かされたようになって、大波を打つのは海よ。その、山の根を畝り、岩に躍り、渚に飜って、沖を高く中空に動けるは、我ここに天地の間に充満たり、何物の怪し....
海の使者」より 著者:泉鏡花
面に向き合う処に、くるくると渦を巻いて、坊主め、色も濃く赫と赤らんで見えるまで、躍り上がる勢いで、むくむく浮き上がった。 ああ、人間に恐れをなして、其処から、....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
…… が、その外には何も言わぬ。並んだ小屋は軒別に、声を振立て、手足を揉上げ、躍りかかって、大砲の音で色花火を撒散らすがごとき鳴物まじりに人を呼ぶのに。 こ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
地の漁師の小供達はよくそんなところで水泳ぎを致して居ります。真黒く日に焦けた躯を躍り狂わせて水くぐりをしているところはまるで河童のよう、よくあんなにもふざけられ....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
ました。 と、どこから登って来たか、爛々と眼を光らせた虎が一匹、忽然と岩の上に躍り上って、杜子春の姿を睨みながら、一声高く哮りました。のみならずそれと同時に、....
」より 著者:秋田滋
忍びない光景を照らしだしていた。 墓番のヴァンサンは、やにわにその浅ましい男に躍りかかると、たちまち組み伏せてしまい、両手を縛りあげて、その男を交番へ引ッ立て....
活人形」より 著者:泉鏡花
悪いぜ。「なあに、売物だ。面に疵はつけません。 泰助は、幕の蔭よりこれを見て、躍り出んと思えども、敵は多し身は単つ、湍るは血気の不得策、今いうごとき情実なれば....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
々と、一尺引き五寸引き、次第に引き寄せしが、船前六尺ばかりにて、がばと水を扇りて躍り、綸の張り卒然失せぬ。逸し去りしなり。 『ちェッ』と舌打ちして、二三秒間、綸....