躍り上る[語句情報] » 躍り上る

「躍り上る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

躍り上るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蘭学事始」より 著者:菊池寛
た。四人は目を見合せたまま、一語も交えずに考えぬいた。申の刻を過ぎた頃に、玄白が躍り上るようにして、その膝頭を叩いた。 「解《げ》せ申した。解《げ》せ申した。方....
船医の立場」より 著者:菊池寛
明な青年をわが国へ連れて行って、わが文化に接せしめるということだけでも、私の心は躍り上るような歓喜を感ずる。私は提督閣下が、この青年の請に耳をかさんことを切望す....
薤露行」より 著者:夏目漱石
に響くとき、ギニヴィアの胸は、錐《きり》に刺されし痛《いたみ》を受けて、すわやと躍り上る。耳の裏には颯《さ》と音がして熱き血を注《さ》す。アーサーは知らぬ顔であ....
若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
え? ほんとに助かりましたのでございますか。ああありがたい! ありがたい――!躍り上る群集。皆みな抱き合って狂喜する。感極まって嬉し泣きに泣く者もある。 ....
伸子」より 著者:宮本百合子
た。ある場所では雑誌の表紙にでも応用するのか、亜拉比亜《アラビア》人が槍を振って躍り上る黒馬に跨《またが》っている絵を、石版刷のようにはっきり写している中年の女....
地は饒なり」より 著者:宮本百合子
た! おてんとうさま。私の神様。 私は嬉しい。ほんとに、ほんとに嬉しい」 と、躍り上るような字で書きつけた鉛筆を、投げ出した彼女は、せっかく書いた字が皆めちゃ....
能とは何か」より 著者:夢野久作
又節調の例で云えばシオリとても同様である。 たとえば嬉しさを表現する時には躍り上るような音階を通じて最高音に達し、悲しみをあらわす事には嫋々切々として、た....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
今まで、雨や、どんよりした花曇りに妨げられて、逢いたくて逢えない顔であった。私は躍り上るように喜んだ、ほんとうに、久しく尋ねあぐんでいたのだ。雲隠れする最後の一....
地獄の使者」より 著者:海野十三
う訊問はよそうや。訊問をやっても仕様がない」 長谷戸検事が突然椅子からぴょんと躍り上るようにして立って、そういった。皆は一斉に検事の顔を見た。 「ねえ、そうじ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
を撫《な》でてやりますと、犬が尾を振って躍《おど》り上る。かわいそうに、この犬が躍り上ると、米友を抱きすくめてしまうから、抱きつぶしてしまうおそれがある。 不....
遠野へ」より 著者:水野葉舟
家のあるところにくると、前の馬車がそこに止っている。私の乗っている方の瘠せた馬は躍り上るようにして、それへ駆けつけた。 「休むのか?」とうちから黒羅紗の外套が声....
ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
、短剣を振りまわしながら彼等を防ぎました。すると、二三匹の奴等がヒラリと木の上に躍り上ると、そこから私の頭の上に、ジャー/\と汚いものをやりだします。私は幹にピ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
んね、一度よんでよいものです。 そして家へかえると、犬が躍り上って歓迎します。躍り上る犬は女の子だのにさっぱりとして快活で男の子めいていて気に入って居ります。....
兎と猫」より 著者:井上紅梅
ていた。それは彼の父母が買われて来た時よりももっと小さかったが、彼は後脚を弾いて躍り上ることをもう知っていた。子供等は先きを争って私に告げた。もう一つ小さいのが....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
られた仕事に就いて、塹壕戦のつもりで、自分の身形や他人からの悪口を気にせず、また躍り上る浮気心や他人のお世辞にのぼせ上らずに、埃だらけ泥まみれになって努力し続け....