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「躍り出る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

躍り出るの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
た。襟章は蝦茶の、通信員である一等兵の服装だった。彼は中佐の姿の消えた扉の前に、躍り出ると、手袋をはいたまま、力を籠めて把手をひっぱってみたが、扉はゴトリとも動....
若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
ごろごろと勢いよく転げ出して来る。それを追っかけて、巨大な猛虎が一頭、唸りながら躍り出る。続いて成吉思汗《ジンギスカン》が、少年のような快活さで、出入口の垂れを....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
印がとどめられているのだった。 「こら坊主、香を焚け、香を……」 墓穴の中から躍り出ると、法水は台本にもない台詞を叫んだ。そして観客に悪臭を覚られまいとした。....
剣侠」より 著者:国枝史郎
庭へ射し出た燈火の光で、陣十郎を認めた鴫澤主水は、叫ぶと同時に刀をひっ掴み、庭へ躍り出ると積る怨み、ほとんど夢中で斬り込んだ。 「わっ」 陣十郎は地に仆れた。....
南国太平記」より 著者:直木三十五
た。 女中が、廊下を走って来て 「赤紙どすえ」 と、障子を開けた。小太郎が躍り出るように立上って、受取った。八郎太が、赤紙へ印判を押して、女中に戻した。八....
魔像」より 著者:林不忘
は》ね上げればいいのだ。刀は、みずから糸を断ち、羽織の裾《すそ》を潜って、眼前に躍り出る。その刀身に、スウーッ! と血糊が走って……虚心流《きょしんりゅう》竹輪....
ビール会社征伐」より 著者:夢野久作
には上半身裸体で屑屋みたいな継ぎハギの襤褸股引を突込んだ向う鉢巻で「サア来い」と躍り出るので、審判に雇われた大学生が腹を抱えて高い腰掛から降りて来るようなこと。....
三国志」より 著者:吉川英治
。 関興は突っ立って、 「あらふしぎ。これぞ亡父の引き合わせであろう」と、外へ躍り出るや否、 「父の仇、潘璋、逃げるなかれ」と、組みついた。 不意をくった潘....
私本太平記」より 著者:吉川英治
脛当だけで、胴も着けてない男や、草鞋なしの足に、ただ縄を巻いて、長巻一ツを持って躍り出るのやら、とにかく雑多な武装をした者どもが、 「陣触れだぞ」 「おういっ、....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、関ヶ原以後においては、もうそういう野の逸駿は余り求められなくなっていたし、また躍り出る機会もすでになくなっていた。 だが眼のあたりに、秀吉やらそれを繞る無数....
森の石松」より 著者:山中貞雄
たよ。お前によろしくって」 「帰った? そんな筈があるもんか」 と石松、表へ躍り出る。 「お貸元、お貸元ッ」 闇の中に出て、呼んだが答えがない。 石松....