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「躍り込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

躍り込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
客《こうかく》に許さざる疾《と》き流れは、船を駆《か》ってまた奔湍《ほんたん》に躍り込む。 大きな丸い岩である。苔《こけ》を畳む煩《わずら》わしさを避けて、紫....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
艇からも、やっぱり銃の先きに、着剣した、顎紐をかけた水兵! それ等は海賊船にでも躍り込むように、ドカドカッと上ってくると、漁夫や水、火夫を取り囲んでしまった。 ....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
中より、奮発みたる鞠のごとく、衝と潜り出でて、戸障子に打衝る音|凄じく、室の内に躍り込むよと見えし、くるくると舞いて四隅の壁に突当る、出処なければ引返さむとする....
新感覚論」より 著者:横光利一
云う概念、即ち新感覚派の感覚的表徴とは、一言で云うと自然の外相を剥奪し、物自体に躍り込む主観の直感的触発物を云う。これだけでは少し突飛な説明で、まだ何ら新しき感....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
来い! 一度にかかれ! さあさあかかれ!」 血刀を揮って切込んだ。続いて三人が躍り込む。それを人買がおっ取り巻く。キラキラ! 太刀だ! 月光に映じ、十数本の太....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
れようとしない。そこで縄梯子を引っかける。それを伝たわって甲板の上へ螽斯のように躍り込む。拳銃を五、六発ぶっ放す。これで仕事は終えたのさ。どうやら僕の見たところ....
放浪作家の冒険」より 著者:西尾正
擾の極に達した往来へ跳び出して行った。彼は年老りの信者から一挺の太鼓を借り受け、躍り込むように行列に加わると、尺八を逆しまに持ってどんつくどんどんつく南無妙法蓮....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
艘の舟が繋がれてあった。天の与えとばかり垣根を飛び越えた署長以下二人の警官は舟へ躍り込むや否や纜切る間も遅しと湖中に漕ぎ出した。 折から雲間を洩れた月光を湖面....
式部小路」より 著者:泉鏡花
火になって障子の桟をちょろちょろと、火の鼠が伝うように嘗めてました。と哄と、皆が躍り込むと、店へ下り口を塞いで、尻をくるりと引捲って、真俯伏せに、土間へ腹を押ッ....
千代紙の春」より 著者:小川未明
「おばあさん、こんなめでたいことはありません。死んだと思ったこいが跳ねて河の中へ躍り込むなんて、ほんとうにめでたいことです。きっとお孫さんのご病気は、明日からな....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
その他のロッペン団員がおなじく斜めの飛沫で濡鼠になりながら、パッパッパッと伝馬へ躍り込む。 「万歳。」と上から歓呼した。 たちまち、波濤が渓谷になり、丘陵にな....