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躍出
「躍出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
躍出の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
見た、だがどうする事もできなかった。 後退の努力 水戸記者は、よっぽどその場に
躍出し、ホーテンス記者を奪還しようかと思った。だがそれを決行する一歩手前で思い停....
「笑う唖女」より 著者:夢野久作
《めでた》い」 という頓狂《とんきょ》な声がして、澄夫の背後の廊下から伝六郎が
躍出《おどりだ》して来た。又も大盃を呷《あお》り付けて、素敵に酔払っているらしく....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
なれば其戸を開く迄物音充分聞えずして目を覚さずに居たる者なり夫は扨置き妾は施寧が
躍出るを見て転る如くに二階を降しが、金起は流石に男だけ、徒に逃たりとて後にて証拠....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
軍部や警視庁の「同情」を失う時で、同時に「市民」が時を得顔に、スキャッブとして活
躍出来る時だ。 争議団中の東交の在郷軍人達が集って、在郷軍人徽章をつけたり軍服....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
た、目隈の蒼ずんだ中に、一双虎のごとき眼の光、凸に爛々たる、一体の般若、被の外へ
躍出でて、虚空へさっと撞木を楫、渦いた風に乗って、緋の袴の狂いが火焔のように飜っ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
なし、居まわりが居まわりなんで、鼻緒を切らすと跣足で駆歩行く、袖が切れれば素裸で
躍出る。砂を掴む、小砂利を投げる、溝泥を掻廻す、喧嘩はするが誰も味方をするものは....
「山の神殺人」より 著者:坂口安吾
くグレてとっくに家出でもしていたろうに、いわば戦争に救われたとでも云うべきか、勇
躍出征した。兵隊、戦争の生活は彼にとってはむしろはじめての青春時代であったのであ....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
から、今太左衞門が丹三郎の一刀の下に殺されようとする有様を見ると、ボーンと厩から
躍出しました。田舎では厩の前にませを馬が鼻先で反ね除けて外へ
躍出して、突然後足を....
「日蔭の街」より 著者:松本泰
不思議そうに吾々三人の顔を見較べていた。運転手は掴みかかるような権幕で、私の前へ
躍出した。 「おい、本統の事をいうがいい。ピムリコなんかへ行けばとんだ事になった....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
面白く味わせた。殊に小説の梗概でも語らせると、多少の身振声色を交えて人物を眼前に
躍出させるほど頗る巧みを究めた。二葉亭が人を心服さしたのは半ばこの巧妙なる座談の....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
馬となった浅からぬ縁故があったから、もし些かでも野心があったらドンナ方面にでも活
躍出来たのである。が、富貴顕栄を見る土芥に等しく、旧外国語学校廃止後は官報局の一....
「活人形」より 著者:泉鏡花
を打叩きて、「赤得、赤得。と叫び立つれば、「汝野狐|奴、また来せた。と得三室外へ
躍出づれば、ぱっと遁出す人影あり。廊下の暗闇に姿を隠してまた――得三をぞ呼んだり....