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躍然
「躍然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
躍然の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
平伊豆守――と大きく書かれてあったものでしたから、まったくもう右門は鬼に金棒で、
躍然としながら城中を辞し去りました。出ると、これもつるの一声。表にはご番士のひと....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たばっかりに、かく居ながら事がとんとんと運ばれましたものでしたから、右門の一行は
躍然として、豆からはえたごとき愛らしき少年僧をまんなかにいたわりながら、ただちに....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
《きた》る心臓の扉《とびら》は、恋と開き恋と閉じて、動かざる男女《なんにょ》を、
躍然と大空裏《たいくうり》に描《えが》き出している。二人の運命はこの危うき刹那《....
「作物の批評」より 著者:夏目漱石
九十とかきめなければならぬ。メリメのカルメンはカルメンと云う女性を描《えが》いて
躍然たらしめている。あれを読んで人生問題の根元に触れていないから駄作だと云うのは....
「ニュース映画と新聞記事」より 著者:寺田寅彦
ロフォンの前に立ったときのいろいろな表情であった。言葉で現わされない人間の真相が
躍然としてスクリーンの上に動いて観客の肺腑に焼き付くのであった。 こういう効果....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
本の婦女が家居《かきょ》日常の姿態を描きてこれに一種いふべからざる優美の情とまた
躍然たる気魄《きはく》を添へ得たる事を絶賞したり。こは決して過賞に非ず。天明《て....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
に同じ音声が、 「しばらく待て!」 こう、叫んだかと思うと、道しるべの石から、
躍然と立ってきた法月弦之丞が、あわてる列をかきわけて、すばやく、一八郎の駕の棒鼻....