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「躍起〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

躍起の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
魔術」より 著者:芥川竜之介
う》さえ変るかと思うほど、夢中になって勝負を争い出しました。が、いくら友人たちが躍起となっても、私は一度も負けないばかりか、とうとうしまいには、あの金貨とほぼ同....
或る女」より 著者:有島武郎
門のほうに向いてずんずんと歩き出した。憤怒と嫉妬《しっと》とに興奮しきった葉子は躍起《やっき》となってそのあとを追おうとしたが、足はしびれたように動かなかった。....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ない線と面との集まりとより君の目には見えない。 この悲しい事実を発見すると君は躍起となって次のページをまくる。そして自分の心持ちをひときわ謙遜な、そして執着の....
深夜の市長」より 著者:海野十三
ら、待たんかア!」 と飛び出して来た者があった。刑事だ! そうなると僕はもう躍起となっていた。なんのために逃げる必要があるのかと、根本的な誤謬を考えなおす余....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
湯文字一枚も残さぬという筈はなかった。 「じゃあ、下駄はどうだ?」 赤羽主任は躍起となって、番台横の三和土を覗いてみたが、その下駄も片方すら見当らないではない....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
てねだっていたようだから丁度いい」 「野球のマスクと違いますよ、お父さん」弦三は躍起になって抗弁したのだった。「いまに日本が外国と戦争するようになるとこの瓦斯マ....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
んだとある。ヒットラー総統及びゲーリング元大ドイツ元帥の死体は見当たらず、ソ連軍躍起となって捜索中。ヒットラー総統は二十五日重傷を負い、一日ついに死去したという....
転機」より 著者:伊藤野枝
当って一番被害の激しい谷中村がその用地にあてられたのである。土地買収が始まった。躍起となった反対運動も、何の効も奏しなかった。激しい反対の中に買収はずんずん遂行....
ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
した。それは大正八年の夏のことで、労働運動の盛んに起こってきた年の夏で、警視庁は躍起となって、この機運に乗じて運動を起こそうとする社会主義者の検挙に腐心したので....
「別居」について」より 著者:伊藤野枝
一年あまり前に、私のいちばん大事なその信は、無造作に奪われてしまいました。いくら躍起になっても一度失くなったものは再びけっして帰ってはきませんでした。そしてその....
幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
十五……」 彼もまたそれから先きが言えなくなってちょっとまごついたが、たちまち躍起となって筆を採り、一行ばかり書きかけた「幸福の家庭」の原稿用紙の上に数字を書....
暗号数字」より 著者:海野十三
た文字の写しであった。これによると、割り算が三段となって、一段殖えた。 帆村は躍起となって、この月足らずの割り算に注意を向けた。第三段目に□9□□という四位の....
取舵」より 著者:泉鏡花
ことがある。」 その友は渠の背に一撃を吃して、 「吹くぜ、お株だ!」 学生は躍起となりて、 「君の吹くぜもお株だ。実際ださ、実際僕の見た話だ。」 「へん、躄....
唇草」より 著者:岡本かの子
のは、あたしがするのも同然、気味悪いわ。止して頂戴! 止して頂戴!」 かの女の躍起となった瞳から、かの女の必死に掴んだ指から、千代重が今まで栖子からうけたこと....
梟の眼」より 著者:大倉燁子
は大分評判らしいぜ。余り警察を甘く見ていると取っ掴るぞ」 「大丈夫だわよ。警察で躍起となって捕えようとしていても、私はこの通り、平然と、大東京の真中を大手を振っ....