身に余る[語句情報] » 身に余る

「身に余る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

身に余るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ます。 その代りまた、詩歌管絃の道に長じてさえ居りますれば、無位無官の侍でも、身に余るような御褒美《ごほうび》を受けた事がございます。たとえば、ある秋の夜に、....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
計いで、余り窘めずに方を附けたい、余「権田さん、夫は甚いと云う者です、秀子は昨今身に余る程の心配を持って居ますのに夫を又劫かすなどとは余り察しのない仕方では有り....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
心配しています」 大「へえ、毎度秋月さま渡邊さまのお引立に因りまして、不肖の私が身に余る重役を仰付けられ、誠に有難いことで決してお手間は取らせませんから」 梅「....
元禄十三年」より 著者:林不忘
無理往生だった。出雲守は、仕方なしに、引き受けないわけにはいかなかった。 「身に余る栄誉――。」 と小さな声だった。が、相模守の眼を受けた岡部美濃守は、口....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
けて、急に袖で口を掩《おお》い、額越《ひたえごし》に昇の貌を眺めて眼元で笑った。身に余る面目に昇は得々として満面に笑いを含ませ、紳士の笑い罷《や》むを待ッてまた....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
何分老年と申し覚束なき事に存候。しかし御方様よりの仰せに付、畏まり奉る。まことに身に余る面目。老体を顧ず滞京、千代造稽古の儀|御請申上候」 と翁の手記に在る。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ないが、そうかといって上品ぶるのはなおいけない。こいつをうまくしおおせた日には、身に余る福の神を背負いこむのだが……なかなかその人選が容易でないと、一旦は頭を痛....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
信頼と若さとの表情をしていた。彼はオリヴィエを敬愛していた。オリヴィエは、それを身に余る幸福だとして恥ずかしく思わなかったら、自分の力を濫用して勝手な真似をする....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ありません。まことに気の毒な方です!」 それはあわれなファンティーヌに取っては身に余るほどのことだった。コゼットといっしょになる! この汚辱の生活から脱する!....
“歌笑”文化」より 著者:坂口安吾
感覚にくらべれば、歌笑などは、金魚とミミズぐらいの差があって、戦後にえた人気は、身に余るものであったろう。 しかし、落語家が、歌笑をさして漫談屋だとか、邪道だ....
雪の宿り」より 著者:神西清
づかわれたお子様がたのお勧めに従われたものでございましょう。さあそうなりますと、身に余る大役をお請けした上に、大樹とも頼む太閤はおいでにならず、東の御方様はじめ....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
でくるのである。 遠方のどこかで未知の人々が私の新年を祝ってくれているなぞとは身に余ることで、それに対して私も来年は年賀状をだそう。気楽に十二歳のこれから生長....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
ものでございます。さような思いをかけて下さいますだけでもなよたけにとりましては、身に余る光栄でございます。大納言様と聞いて、なよたけもどんなに喜びますることでご....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
も、果して余にそれに背かぬような仕事が出来るかどうか。余は寧ろ此の話を聴きながら身に余る重い負担を双肩に荷わされたような窮屈さを感じないわけには行かなかった。け....
」より 著者:カフカフランツ
暗い片隅にうずくまりつづけるというようなことにならなければ、それだけでもあの人の身に余る名誉なんですよ」 「K、あなたは」と、オルガはいった。「わたしたちがバル....