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身に染みる
「身に染みる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
身に染みるの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
》、長浜《ながはま》は薄曇《うすぐもり》、幽《かすか》に日が射《さ》して、寒さが
身に染みると思ったが、柳《やな》ヶ|瀬《せ》では雨、汽車の窓が暗くなるに従うて、....
「明暗」より 著者:夏目漱石
てんで向うの車の事なんか考えちゃいられなかったからね。日は暮れかかるしさ、寒さは
身に染みるしさ。顫《ふる》えちまわあね」
津田の推測はだんだんたしかになって来....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
のまま飛んで出た。 と見れば、貞造の死骸の、恩愛に曳かれて動くのが、筵に響いて
身に染みるように、道子の膝は打震いつつ、幽に唱名の声が漏れる。 「よく御覧なさい....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
は夜店もチラホラと通る人も稀であろう。風こそ吹かね、底冷えのする寒さは森々として
身に染みる。火の気のない冷たい部屋で長時間続行訊問せられる支倉は身から出た錆とは....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
「按摩が通る……女房さん、」 「ええ、笛を吹いてですな。」 「畜生、怪しからず
身に染みる、堪らなく寒いものだ。」 と割膝に跪坐って、飲みさしの茶の冷えたのを....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
、何にも聞こえぬ。固より聞こうとしたほどでもなしに、何となく夕暮の静かな水の音が
身に染みる。 岩端や、ここにも一人、と、納涼台に掛けたように、其処に居て、さし....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
傘で、帰途を急ぐ中に、雪で足許も辿々しいに附けても、心も空も真白に跣足というのが
身に染みる。 ――しかし可訝しい、いや可訝しくはない、けれども妙だ、――あの時....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
換えて、一風呂浴びて戻る。誠や温泉の美くしさ、肌、骨までも透通り、そよそよと風が
身に染みる、小宮山は広袖を借りて手足を伸ばし、打縦いでお茶菓子の越の雪、否、広袖....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
杏返の小間使が優容に迎えている。後先になって勇美子の部屋に立向うと、たちまち一種
身に染みるような快い薫がした。縁の上も、床の前も、机の際も、と見ると芳い草と花と....
「民衆芸術の精神」より 著者:小川未明
、ソヴィエットの標語の如く知られているが、よく、其心持は分るというばかりでなく、
身に染みるような気がします。 が、なぜであるか。あまりに人間的であるからである....