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「身の丈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

身の丈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
》から響いたように思われるが、それも彼の耳には、夢のようにしか聞えない。 人の身の丈《たけ》よりも高い高粱は、無二無三《むにむさん》に駈けてゆく馬に踏みしだか....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
丞と言う名前だけ聞けば、いかなる優男《やさおとこ》かと思うかも知れません。しかし身の丈《たけ》六尺五寸、体重三十七貫と言うのですから、太刀山《たちやま》にも負け....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
ているような醜《みにく》いあばた面《づら》の持ち主ではなかった。三十一の男盛りで身の丈《たけ》は五尺六、七寸もあろう。剣術と柔術とで多年鍛えあげた大きいからだの....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
倍、やがて一尺、飯櫃形《いびつなり》の天窓《あたま》にチョン髷《まげ》を載せた、身の丈《たけ》というほどのものはない。頤《あご》から爪先の生えたのが、金ぴかの上....
海異記」より 著者:泉鏡花
に打たせたそうに、つかつかと寄ったが、ぎょっとして退った。 檐下の黒いものは、身の丈三之助の約三倍、朦朧として頭の円い、袖の平たい、入道であった。 女房は身....
自叙伝」より 著者:大杉栄
指南番の後見のもとに、町道場を開いて、門弟五百人、内弟子百人あまりも養っていた。身の丈六尺四寸、目方四十貫という大男で、三十三で死んだのだが、その時でも三十五貫....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
手拭をわがねた首から、頸へかけて、耳を蔽うまで髪の伸びた、色の黒い、巌乗造りの、身の丈抜群なる和郎一人。目の光の晃々と冴えたに似ず、あんぐりと口を開けて、厚い下....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
んばら髪に肩を振って、身悶えすると、消えかかった松明が赫と燃えて、あれあれ、女の身の丈に、めらめらと空へ立った。 先生の身体が、影のように帰って来て、いましめ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
づいたか、白茶色の衣裳をつけた一人の妖精が木蔭から歩み出で、私達に近づきました。身の丈は七八|寸、肩には例の透明な羽根をはやして居りましたが、しかしよくよく見れ....
故郷」より 著者:井上紅梅
閏土であった。わたしは一目見てそれと知ったが、それは記憶の上の閏土ではなかった。身の丈けは一倍も伸びて、紫色の丸顔はすでに変じてどんよりと黄ばみ、額には溝のよう....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
が、そのため息がまだ消えない内に、今度は彼の坐っている前へ、金の鎧を着下した、身の丈三丈もあろうという、厳かな神将が現れました。神将は手に三叉の戟を持っていま....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
盛りの時代のものである。その少し後に、チンダル教授の書いたのには、「ファラデーは身の丈けは中位より少し低い。よく整っていて、活溌で、顔の様子が非常に活き活きして....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
漕流されて、出稼ぎの売色に出る事。中にも船で漂うのは、あわれに悲く、浅ましい……身の丈夫で売盛るものにはない、弱い女が流される。(姉めも、病身じゃによって、)と....
古事記」より 著者:太安万侶
そこでその兄の言いますには、「もしお前がこの孃子を得たなら、上下の衣服をゆずり、身の丈《たけ》ほどに甕《かめ》に酒を造り、また山河の産物を悉く備えて御馳走をしよ....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
気は持っていたであろう。が、相手は誰かと思うと、朱鞘の大小をかんぬき差しに差した身の丈抜群の侍だった。しかも誰にも恐れられていた「新徴組」の一人に違いなかった。....