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「身の回り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

身の回りの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ら発船の日を待ちわびた。もっとも木村が毎日米国という香《にお》いを鼻をつくばかり身の回りに漂わせて、葉子を訪れて来るので、葉子はうっかり寝床を離れる事もできなか....
青木の出京」より 著者:菊池寛
い」と、口癖のようにいい続けるだけでだった。 その日の午後に、雄吉は、わずかな身の回りのものを始末して、三年近く世話になった近藤家を去った。 近藤家を去った....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
れを点検に来たので、少年僧黙山を案内に立たせながら、そこに取り散らかされてあった身の回りの品を巨細《こさい》に調べると、路用の金すらも持たずに、ほとんど着のみ着....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
お八重は、新一郎の妻ではなかったが、自然一家の主婦のようになった。 新一郎の身の回りの世話もしたし、寝床の上げ下ろしもした。 新一郎も、お八重を妻のように....
女の一生」より 著者:森本薫
本気でお嫁さんのことでも論じていただきたいですね。 ふみ ほんとだわ。叔父さまの身の回りのお世話はみんな私とお姉さまにかかってくるんですからね。早くお仕立て物か....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
でも、物を言うよりは黙っているほうがかえってむずかしいくらいになりましたよ」彼は身の回りに寄り集まっている人々を、なつかしげに見回しながら冗談を言うのであった。....
家なき子」より 著者:楠山正雄
たしのひき方が悪いからであったか、それともやめろという合図であったか。 自分の身の回りに起こるどんな小さなことも見のがさないアーサは、わたしの不安心らしい様子....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
押しきって出ようとすると、 「バカ。勝手に出るな」 中へ突きとばされた。子分は身の回りのものだけ持ってきて、中へ投げこんでくれたが、 「勝手に出るわけにはいか....
棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
感じてはいなかったというのです。奥方は早くに亡くなって、お気に入りの美しい腰元が身の回りの面倒を見ていましたが、この腰元さえも、自分のいうことを聞かないといって....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
実際は立派な武士であります。中世以後武士を「侍」と申すのは、主人の傍らに侍うて、身の回りの面倒をみたり、主人のために雑役に従事したためであります。しかもその侍た....