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「身の毛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

身の毛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
のは?」 「それはお前さんのここへ来た路だ。」 僕はこの答えを聞いた時になぜか身の毛がよだちました。 「その路があいにく見つからないのです。」 年をとった河....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
法を使って、両腕を空ざまに吊し上げたり、頸のまわりへ蛇をまきつかせたり、聞くさえ身の毛のよ立つような、恐しい目にあわせるのです。が、それよりもさらにつらいのは、....
高野聖」より 著者:泉鏡花
わし》は跨《また》ぎ越した、とたんに下腹《したっぱら》が突張《つッぱ》ってぞッと身の毛、毛穴が残らず鱗《うろこ》に変って、顔の色もその蛇のようになったろうと目を....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
をあけている。そこに知らず知らず近づいて行きつつあった自分を省みて、君は本能的に身の毛をよだてながら正気になった。 鋭い音響は目の下の海産物製造会社の汽笛だっ....
クララの出家」より 著者:有島武郎
ずくまるフランシスに眼をつけると、きっと四方からその跡を埋めに流れ寄る泥の動揺は身の毛をよだてた。クララは何もかも忘れて三人を救うために泥の中に片足を入れようと....
朱日記」より 著者:泉鏡花
し、また猿の面の赤いのに不思議はないがな、源助。 どれもこれも、どうだ、その総身の毛が真赤だろう。 しかも数が、そこへ来た五六十疋という、そればかりじゃない....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
の夜の境内であった。 「ああ……もう一呼吸で、剃刀で、……」 と、今|視めても身の毛が悚立つ。……森のめぐりの雨雲は、陰惨な鼠色の隈を取った可恐い面のようで、....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
なり突込んだらどのくらい人を損ったろう。――たとい殺さないまでもと思うと、今でも身の毛が立つほどだ。ほてって、顔が二つになったほど幅ったく重い。やあ、獅子のよう....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
実際、そんな目に逢って、一生忘れられん思をした事があるからだよ。いや、考えても身の毛が弥立つ。」 フイと起返って、蚊帳の中を※したが、妙に、この男にばかり麻....
化鳥」より 著者:泉鏡花
も三ツも。私に何を談すのだろう、私に何を話すのだろう。鳥がものをいうと慄然として身の毛が弥立った。 ほんとうにその晩ほど恐かったことはない。 蛙の声がますま....
人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ました。その湯気が、なんともいえないふしぎなきみのわるい形で、むくむくと立って、身の毛もよだつようでした。 魔女はしじゅうそれからそれと、なにくれとおなべのな....
」より 著者:秋田滋
の裁きを受けることになった。検事は、かつてベルトランという一軍曹によって犯された身の毛のよだつような行為を傍聴人の念頭にまざまざと想い起させて、頻りにその感情を....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
とおおわれており、そのために、この橋のあたりは昼でもほの暗かったが、夜になると、身の毛のよだつような暗闇となった。ここが、首なし騎士の好んであらわれたところで、....
清心庵」より 著者:泉鏡花
まに、微笑みむかえし摩耶が顔。筧の音して、叢に、虫鳴く一ツ聞えしが、われは思わず身の毛よだちぬ。 この虫の声、筧の音、框に片足かけたる、その時、衝立の蔭に人見....
活人形」より 著者:泉鏡花
んと見えけるが、今泰助等を見たりし時、物をも言わで莞爾と白歯を見せて笑める様は、身の毛も弥立つばかりなり。 人々ものを言いかくれど、答は無くて、ただにこにこと....