身を売る[語句情報] »
身を売る
「身を売る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
身を売るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文放古」より 著者:芥川竜之介
しいじゃないの?)名前は結婚って云うけれども、ほんとうは売笑婦《ばいしょうふ》に
身を売るのと少しも変ってはいないと思うの。
「けれどもあなたはあたしと違って、立....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
女の鼻を打った。
いつか彼女の心の中には、狂暴な野性が動いていた。それは彼女が
身を売るまでに、邪慳《じゃけん》な継母《ままはは》との争いから、荒《すさ》むまま....
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
ければ介抱をしてもなし、お父さんに御飯《おまんま》をたべさせる事も出来ないから、
身を売る訳にも行《ゆ》かず、進退|谷《きわ》まりまして誰《たれ》にも知れる気遣い....
「階段」より 著者:海野十三
少くあるまいと思うが、あの統計狂の一党に、僕が臨時参加をしたのが、そもそも悪魔に
身を売るキッカケだった。友江田先生の統計趣味は、たとえば銀座の舗道の上に立って、....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
つねは色々にかんがえ抜いた挙句に、思いついたのが例の身売です。 人参の代にわが
身を売る――芝居や草双紙にはよくある筋ですが、おつねも差当りその外には思案もない....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
んでも病気はなおらないのよ。 唯円 それでしかたが無いから身を売ったの。 かえで
身を売るのがどのようなものか私はよく知らなかったのよ。十四の年ですもの。世話人が....
「二少女」より 著者:国木田独歩
だからって……まあ何という言葉でしょう……私は口惜くって堪りませんでしたの。矢張
身を売るのは同じことだと言いますとね、祖母さんや同胞のために
身を売るのが何が悪い....
「吝嗇神の宿」より 著者:坂口安吾
。 「オレの留守中に、男をくわえこんで、ヘソクリをためてやがるに相違ない。タダで
身を売るような女じゃないから、どうしても、ヘソクリが……」 イライラと諸方をか....
「カストリ社事件」より 著者:坂口安吾
やっぱり、カラダの一部分じゃねえか。だからさ。お前。金歯を売るなんて、やっぱり、
身を売ることじゃねえか。つまり、オレ、パンパンやっちゃったと思うんだ。パンパンや....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
られたものである。パンパン時代の今日の方が、むしろ女の肉体の価が高い。当時は蔭で
身を売る女の数が今よりも多く、ハッキリ旗印しをあげることができなかったから、タダ....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
ません。承知しないのが当り前でございます。叔父はたいそう怒りまして、親のためには
身を売る者さえある。これほど頼んでも肯かないならば唯は置かないといって、勿論、お....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
になった。思えば思うほど阿母さんが怨めしい、憎らしい。世間には親の病気を癒す為に
身を売る娘もあるそうだが、寧そその方が優であったろう。」 お熊は声を忍ばせて泣....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
す、錨床の鐵が来て、あの娘さんのような感心なものは無え、親の為に自分から駈込んで
身を売るというのは実に感心だ、世間には浮気をして茲へ来るものは多いが、親の為に来....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
た。あとから西豪州の真珠貝取りにいってもらおうという。英人の経営で、年期をきって
身を売るのだそうだ。それもよかろう。――しかし、その夜ふろにはいって、相ぶろの人....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
ほとんどすべてがそのおかげを蒙った。吾妻の如きその最もいゝお客で、とゞ終に公園へ
身を売るにいたるまで、月々うけとる給金の半分は、手つかずいつも菱川の手へもって行....