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身を立てる
「身を立てる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
身を立てるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
になっては、お前さんももう帰参の見込みもあるまい。その十両を元手にして何か自分の
身を立てる工夫を付けた方がよかろうと、亭主は親切に意見すると、治六はときどきに眼....
「おじいさんのランプ」より 著者:新美南吉
い》がないと、つねづね思っていた。 男子は身を立てねばならない。しかしどうして
身を立てるか。巳之助は毎日、ご飯を喰《た》べてゆくのがやっとのことであった。本一....
「新生」より 著者:島崎藤村
解し、上方唄《かみがたうた》の合《あい》の手のような三味線を聞くことを好み、芸で
身を立てるような人達を相手に退屈な時を送ったこともあるが、如何《いか》なる場合に....
「鉄鎚」より 著者:夢野久作
上手に詫を入れて出入りをするようになった。……と思う間もなく今度は相場師になって
身を立てるというので、言葉巧みに親父を誑《たら》し込んで、祖父《じじい》の代から....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、幸いめ組とはまたああいう中で、打明話が出来るから、いっそその弟子になって髪結で
身を立てる。商売をひいてからは、いつも独りで束ねるが、銀杏返しなら不自由はなし、....
「空を飛ぶパラソル」より 著者:夢野久作
」 「その理由というのはこうだ。……うちの娘は元来勝気な娘で、東京へ行って独身で
身を立てる、女権拡張に努力するという置手紙をして出て行った位で、そんな不品行をす....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ことのために娘の性情が壊れて仕舞ったら、どうしたらいいだろう……」 彼が学問で
身を立てるつもりで堺屋の主人に頼んで、段々と上の学校へ上げて貰おうとしたのは、学....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
は無い。種々な家の事情からして遠く行かれないような学問好きな青年は、多く国に居て
身を立てることを考える。毎年長野の師範学校で募集する生徒の数に比べて、それに応じ....
「葛の葉狐」より 著者:楠山正雄
と思いましたが、子供の時から馬に乗ったり弓を射たりすることはよくできても、学問で
身を立てることは思いもよらないので、せめてりっぱな子供を生んで、その子を先祖に負....
「枯菊の影」より 著者:寺田寅彦
とこう云うのである。自分もなるほどと思ってその方はあきらめたが、さらば何をやって
身を立てるかと考えても、やっと中学を出ようと云う自分に、どんな事が最も好いか分り....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
てはいないと仰云います、そうらしいところを今度も感じましたが、多賀子にしろ一人で
身を立てることが出来る条件だけをつけてやればそれから後は自分の心がけ次第ですから....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
を疑わないように、訓戒してやるためであった。 マチアはいまではもう自分で自分の
身を立てることができるようになっていた。わたしが鉱山にはいっていたあいだ、かれは....
「いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
へなぜはいつたか、その理由はここでは述べないことにして、とにかく、将来軍人として
身を立てる覚悟で、おおむねドイツ式を採り入れたこの学校の寮生活をつづけていたので....
「判決」より 著者:カフカフランツ
彼のためにずっとよいのではなかろうか。こうした事情の下では、彼が故郷でほんとうに
身を立てるなどと、いったい考えることができるであろうか。 こうした理由から、た....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
い馴染んで、持物のようになってるお前が、外の客を取って、それから金を引出して私の
身を立てる様な見っともないことは出来ないが、そのお客を取りたいならお取りな、是迄....