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「身を起こす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

身を起こすの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
すであろう。最後に、――僕はこの話を終わった時の彼の顔色を覚えている。彼は最後に身を起こすが早いか、たちまち拳骨《げんこつ》をふりまわしながら、だれにでもこう怒....
或る女」より 著者:有島武郎
を与えるのだった。倉地は宿酔《しゅくすい》を不快がって頭をたたきながら寝床から半身を起こすと、 「なんでけさはまたそんなにしゃれ込んで早くからやって来おったんだ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
というが親でござりやす」 「よしッ。それだ! 伝六ッ」 莞爾《かんじ》と笑って身を起こすと、断ずるごとくいったものです。 「ホシはその女だ! 駕籠《かご》だよ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
! よしッ、伝あにい!」 ひしとかいいだくようにその青人形を胸に抱いて、さっと身を起こすと、静かに命じたことです。 「野郎をつかまえろッ。粂五郎のやつが、なぞ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
が、しかたがねえや。ついてきな」 とっさになにごとか看破したとみえて、むっくり身を起こすと、ちゅうちょなくそのあとを追いました。 内陣の裏には、奇怪なことに....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ろだな。伝六ッ、辰ッ、もうつまらねえことをしゃべるなよ」 いいつつ、くぼみから身を起こすと、名人の忍び寄るように近づいていったところは、日の暮れまえに見ておい....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
る。君はなお半時間ほどスケッチに見入っていたが、寒さにこらえ切れなくなってやがて身を起こすと、藁草履を引っかけて土間に降り立ち、竈の火もとを充分に見届け、漁具の....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
ょうか。 両人横になり目をつむる。 左衛門 (うなる)うーむ。うーむ。 お兼 (身を起こす)左衛門殿。左衛門殿。(左衛門をゆり起こす) 左衛門 (目をさます)あ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
山忌の近づくことも忘れてはならなかった。彼は考えた。ともかくもあすからだ。朝早く身を起こすために何かの目的を立てることだ。それには二人の弟子や寺男任せでなしに、....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
わずお民は添い寝をしている子供の鼻をつまんだ。子供が乳房をかんだのだ。お民は半ば身を起こすようにした。彼女はそっと子供のそばを離れ、おばあさんやお里のいる方へ一....
丹下左膳」より 著者:林不忘
……音のない深夜の音、地の呼吸《いき》づかいである。 左膳は、一つしかない手で身を起こすと、そのまま腹這いになって考えこんだ。 いま見た夢である。 剣鬼左....
変身」より 著者:カフカフランツ
オリンと弓とをもって、まだ演奏しているかのように楽譜をながめつづけていたが、突然身を起こすと、はげしい肺の活動をともなう呼吸困難に陥ってまだ自分の椅子に坐ってい....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
影も見当らない。耳をすましたが、霧の中にも、それらしい叫びを聞かない。 お綱は身を起こすと一緒に、世阿弥の顔をむさぼるように見つめた。 世阿弥は目を開いてい....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
米は」と同君がいう。 朽ち落ちんばかりな橋にかかる。「あ、止めて」と、杉本画伯身を起こす。美しい滝を右がわの深淵の奥にみつけたのだ。不動ノ滝というのだそうな。....