身内[語句情報] » 身内

「身内〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

身内の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
》の腹を痛めないお絹が、一番叔母には気に入りらしい。それには賢造の先妻が、叔母の身内《みうち》だと云う理由もある。――洋一は誰かに聞かされた、そんな話を思い出し....
おしの」より 著者:芥川竜之介
取らりょと覚悟した』と、大声《おおごえ》に歌をうたいながら、織田殿《おだどの》の身内に鬼《おに》と聞えた柴田《しばた》の軍勢を斬《き》り靡《なび》けました。それ....
或る女」より 著者:有島武郎
らろくろく運動もせずに、野菜気《やさいけ》の少ない物ばかりをむさぼり食べたので、身内の血には激しい熱がこもって、毛のさきへまでも通うようだった。寝台《バース》か....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
のことも思う機会がない。 あってみない前の思いほどでなく、お光さんもただ懇切な身内の人で予も平気なればお光さんも平気であったに、ただ一日お光さんは夫の許しを得....
薬草取」より 著者:泉鏡花
はお薬になる草を採りにおいでなさるのでござんすかい。」 「少々無理な願ですがね、身内に病人があって、とても医者の薬では治らんに極ったですから、この医王山でなくっ....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
おお、聞及んだ黒和尚。 蟹五郎 鯰入は御坊かい。 鯰入 これは、いずれも姫君のお身内な。夜叉ヶ池の御眷属か。よい所で出会いました、案内を頼みましょう。 蟹五郎 ....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
やい。」 「これは早や思いも寄りませぬ。が、何かの、この八百半と云うのは、お身の身内かの。」 「そうよ、まずい八百半の番頭だい、こン爺い。」 と評判の悪垂が、....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
を、主人の家を離れないで、勤め続けた。もっとも孤児同然だとのこと、都にしかるべき身内もない。そのせいか、沈んだ陰気な質ではないが、色の、抜けるほど白いのに、どこ....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
間に立ってかの杖で土をことことと鳴していた。 「あれ。」打てば響くがごとくお米が身内はわなないた。 堪りかねて婆さんは、鼻に向って屹と居直ったが、爺がクンクン....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
、衾が揺れるか、畳が動くか、胸が躍るか。膝を組み緊めて、肩を抱いても、びくびくと身内が震えて、乱れた褄もはらはらと靡く。 引掴んでまで、撫でつけた、鬢の毛が、....
黒百合」より 著者:泉鏡花
のは、件の白い蝶であった。 我身|半はその蝶に化したるかと、お雪は呆れ顔をして身内を見たが、にわかに色を染めて密と少年を見ると、目を開かず。 お雪は吻と息を....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
上へ膚が透き、真白な乳が膨らむは、輝く玉が入ると見えて、肩を伝い、腕を繞り、遍く身内の血と一所に、月の光が行通れば、晃々と裳が揺れて、両の足の爪先に、美い綾が立....
星女郎」より 著者:泉鏡花
見てもはじめから分ってます。 弱りました。汗が冷く、慄気と寒い。息が発奮んで、身内が震う処から、取ったのを放してくれない指の先へ、ぱっと火がついたように、ト胸....
三枚続」より 著者:泉鏡花
より条理の立った事ではない、酒の上の悪戯を懲らした方は、男が可いけれども、親方は身内のこと、邪が非でもきかない気なり、かねて快からぬ対手が伝六と明してはただ済む....
活人形」より 著者:泉鏡花
妻にせん。我心に従えと強迫すれど、聞入れざるを憤り、日に日に手暴き折檻に、無慙や身内の皮は裂け、血に染みて、紫色に腫れたる痕も多かりけり。 下枝は我に取縋りて....