身勝手[語句情報] » 身勝手

「身勝手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

身勝手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
の世にえらいと云われてる人達には、意気で人と交わるというような事はないようだね、身勝手な了簡より外ない奴は大き面をしていても、真に自分を慕って敬してくれる人を持....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
として、こちらで他に求める条件だけは、ちゃんとこちらにも整えてあるんだから、強ち身勝手ばかり謂うんじゃない。 けれども、品行の点は、疑えば疑えると云うだろう。....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
いなかったらかえってほかの者らには統一ができたのだ。そういうおとよさんははなはだ身勝手な女のように聞こえるけれど、人を統一する力あるものはまたその統一を破るよう....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
伸びたような気がした。僕にはどうも人から圧迫を感ずると、直ぐに耐え切れなくなる。身勝手かもしれないが、持って生れた性分だから、どうにも仕方がない。独りがいい。独....
「地球要塞」より 著者:海野十三
帰るのか」 「どうして。用がすめば帰るさ。用があれば、又やってくるさ」 「おい、身勝手なことをいうと、許さんぞ。待て！」 Ｘ大使は、室を悠々と出ていく。私は、....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
袋が、それでも、殊勝に、思わせぶりに、びしょびしょぶよぶよと濡れて出た。いずれ、身勝手な――病のために、女の生肝を取ろうとするような殿様だもの……またものは、帰....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
んでいましたこの山へ、後を尋ねて上る事が、物に取紛れている中に、申訳もない飛んだ身勝手な。 またその薬を頂かねばならないようになったです。以前はそれがために類....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
ようなのはお唄いなさるな、失礼千万、御機嫌を損じよう。 椿 まあ……お前さんが、身勝手な。 一同 （どっと笑う。）―― 白雪 人形抱いて、私も唄おう……剣ヶ峰の....
「湯島の境内」より 著者:泉鏡花
星ほどにも無い人間だ。ふっと暗闇にもなろうじゃないか。……いや、家内安全の祈祷は身勝手、御不沙汰の御機嫌うかがいにおまいりしながら、愚痴を云ってちゃ境内で相済ま....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
｜容となって、一人ずつ世に生れて、また同一年、同一月日に、親兄弟、家眷親属、己が身勝手な利慾のために、恋をせかれ、情を破られ、縁を断られて、同一思いで、狂死する....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
時の心もちは、ただお察しにまかせます。……何の罪咎があるんでしょう、と思うのは、身勝手な、我身ばかりで、神様や仏様の目で、ごらんになったら。」 「お誓さん、……....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
何にも思わないで、私ゃ気がはずむんでね、ちっとも苦労はしないけれど、そりゃ私の、身勝手だった。御免なさいな。」 と身を顫わして涙を呑む。われはその膝おさえたり....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
伊波伝毛之記』および『作者部類』を照らし合わしてみると、彼我のいうところ（多少の身勝手や、世間躰を飾った自己弁護はあっても）、みな真実であろう。馬琴が京伝や蔦重....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
この通りあきらめました。死なないでお帰りなさい――） そう言ってくれるのだと、身勝手ばかり考えて、 松の根もとに苺が見える、 お前末代わしゃ一期。…… 一期末....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
うものを饒舌ってや。」 （向の山に猿が三匹）の小猿にされて、八郎はぽかんとした。身勝手な事を……しかも酔っていて饒舌ったのである。実は友だちの私にもよくは分らな....